白トナープリントは、
柔らかい? 硬い?
東京ショールームに来られる方の多くが、まず確かめるのがプリントの手触りです。写真では発色は分かっても、柔らかさは分かりません。動画では、ショールームに来られない方のために「言葉と動画で、できる限り仕上がりを伝えたい」と話しています。
この記事では、当社の動画をもとに、抜ける転写紙タイプWで白トナープリントしたTシャツ3枚とナイロンジャケット1着を触り比べた結果をまとめます。なぜ柔らかく仕上がるのか、何で硬さが変わるのか、引っ張ったり洗濯したりするとどうなるのか。汗をかいたときの着心地は、対になる汗と着心地の記事で詳しく紹介しています。
- 抜ける転写紙は、熱で溶けた柔らかい糊が繊維の奥に入り、冷えて固まって定着します。だから貼った感じが少なく、生地になじんだ仕上がりになります
- 仕上がりの硬さはほぼ生地次第。硬めのTシャツはプリントしていない部分も硬く、シルキーなナイロンはプリント後も柔らかいまま。柔らかい生地を硬くすることはほとんどない一方、硬い生地を柔らかくすることはできません
- デザインでも変わります。抜けのあるイラストはより柔らかく、ベタっと大きいイラストは少し貼った感じが出ます。それでも「他の製法と比べて分厚い」という声は少ない(お客様の声)
- 手触りはカサッと乾いた感じ。ベチャっとした感じはありません
- 縫製されたTシャツの伸びはある程度に抑えられ、普段使いでは問題ないと動画で説明。ただし洗濯で繊維が粗くなるほど劣化する生地では、プリントも一緒に割れます
柔らかさを確かめたい方が多い理由
白トナープリントは、白トナープリンタで転写紙に印刷し、糊を付けてマークを作り、生地に貼り合わせてプレスし、冷めてから剥がして仕上げます。生地の色を問わず、綿のTシャツ、ドライT、スウェット、コーチジャケットのナイロンなど、ほとんどの生地にフルカラーでプリントできるのが特長です(動画撮影時、白トナープリンタWTRIP835は年間約100台導入)。
ただ、作ったものを売る立場からすると、「プリントしたところがゴワゴワしないか」は気になるところです。動画では、多くのお客様が東京ショールームに仕上がりを触りに来られること、来られない方にはプリントサンプルを発送していることを紹介したうえで、問い合わせしづらい方もいるはずなので、動画で伝えたいと話しています。

柔らかく仕上がる仕組み:糊が繊維の奥に入る
柔らかさの理由は、抜ける転写紙タイプWの仕組みにあります。白トナープリンタで印刷したシートに糊を付けたものが、マークになります。これを生地に合わせてプレスし、剥がすとプリントが残ります(動画撮影時のテロップでは130℃・20〜30秒)。

マークの白く見える部分が、繊維に定着する糊です。プレスの熱で糊が溶け、柔らかくなった糊が繊維の奥に入っていきます。冷えると糊が固まり、繊維にしっかり定着します。動画では「熱でぐちゃっとなって、繊維に入っているイメージ」と表現しています。

表面にフィルムを貼り付けるのではなく、繊維の中に入り込む形なので、体になじむような仕上がりになり、貼った感じがほとんどありません。これが、動画で紹介している大部分のお客様からの感想です。
※プレスの温度・時間は動画撮影時のものです。2026年10月時点のタイプWの商品ページでは、洗濯試験の条件を「135℃30秒プレス→135℃30秒シリコン紙で仕上げプレス」と記載しています。実際の条件は、最新の商品ページと説明書に従ってください。当社の白トナー用転写紙がウレタン樹脂で、洗濯を重ねるほど生地になじむことは、汗と着心地の記事で紹介しています。
硬さは生地で決まる:4着を触り比べ
動画でいちばん強調しているのが、仕上がりの硬さは生地自体の硬さに連動するということです。同じ綿のTシャツでも、素材によって硬さが違います。

硬めのTシャツは、プリントしていない部分も硬い
グレーのTシャツは、触ると少し硬さを感じます。ところが、プリントしていない部分も同じように硬いのです。つまり硬さの正体は生地で、プリントの部分も「Tシャツのこの硬さと同じような仕上がり」になっている、という説明です。
柔らかいナイロンは、プリント後も柔らかい
一方、緑のナイロンジャケットは、見ての通りシルキーで柔らかい生地です。プリント部分を触っても、目をつぶっていると段差をあまり感じないぐらいで、柔らかさはほとんど変わらないと話しています。

このことから、動画では次のようにまとめています。
- プリントによって、生地自体の質感が変わることは少ない
- 柔らかい生地にプリントして、硬くさせてしまうことはほとんどない
- ただし、硬い生地を柔らかくすることは難しい
柔らかい仕上がりを求めるお客様には、プリントの方法より先に、柔らかい生地のウェアを選ぶことが近道です。ウェアの選び方はTシャツの仕入れ先やUnited Athleの人気品番の記事も参考にしてください。
デザインでも変わる:抜けのある柄とベタ柄
柔らかさは、デザインによっても変わります。生成りのTシャツには、線画の人物を並べた、すき間の多いイラストがプリントされています。こうした抜けのあるイラストは、より柔らかく、生地になじんで、貼った感じはほとんどしません。


ベタっと大きい柄は、少し貼った感じが出る
一方、グレーのTシャツのクマのイラストのように、すき間がなくベタっとした柄は、少し貼った感じが出ます。それでもかなり生地になじんでいて、お客様からも「他の製法と比べて分厚い」という声は少ないと動画で話しています。

汗をかいたときの着心地でも、同じ傾向があります。汗と着心地の記事では、抜けのあるデザインならどの製法でも汗だまりを感じにくく、ベタっと大きい柄はどの製法でも貼った感じが出る、という結果でした。柔らかさを優先したい注文では、ベタ面を減らしたデザインをご提案するのも一つの方法です。網点でベタ面を軽く見せる方法は網点でビンテージ風Tシャツの記事で紹介しています。
手触り:カサッと乾いた感じ
柔らかさとは別に、表面を触ったときの感触も気になるところです。動画では、白トナープリントの手触りを「カサッとした感じ」と説明しています。ベチャっとした、寝たような感じはなく、少しカサッとした乾いたイメージです。ピンクのTシャツのプリント部分をこすると、カサカサと音がするほどです。

全面転写タイプの転写紙は、プリント直後にカサッとした手触りが強めに出ますが、洗濯を繰り返すと生地になじんでいきます(汗と着心地の記事より)。プリント直後の手触りだけで判断しないことも大切です。
引っ張ったら割れる? 洗濯するとどうなる?
プリントの仕上がりを確かめるとき、プリントした部分を思いきり引っ張る業者様は多いと思います。動画では、ピンクのTシャツのプリント部分をつまんだり、横に引っ張ったりしながら説明しています。

- 縫製されたTシャツは、伸びがある程度に抑えられる
- 思いきり引っ張るのは、業者様が仕上がりを確認するためにしていること。プリントTシャツを着るお客様(エンドユーザー)は、自分の服を意図的に強く伸ばすことはない
- だから普段使いでは問題ない。そこまで神経質にならなくていい
割れるのは、生地が劣化したとき
動画で注意として話しているのは、洗濯で繊維が粗くなるほど劣化する生地です。洗濯を重ねて生地自体がボロボロになると、繊維に定着しているプリントも繊維と一緒に割れていきます。プリントが生地の中に入り込んでいるからこその性質です。
ただし、通常、業者様が使っているようなTシャツなら問題ないと話しています。また、ポリエステルの生地は綿に比べて洗濯によるダメージが少ないので、ドライTシャツへのプリントでも多く使われています。
※動画では洗濯堅牢度を「5級」と紹介していますが、2026年10月時点のタイプWの商品ページでは「4-5級」、洗濯100回以上の耐久性と記載しています。なお、洗濯堅牢度は色落ち・色移りを調べる試験で、割れにくさや剥がれにくさをそのまま表すものではありません。詳しくは洗濯堅牢度の記事をご覧ください。お客様への洗濯の案内は洗濯の伝え方の記事にまとめています。
公平に知っておいてほしいこと
- 硬い生地は硬いままです。プリントで生地を柔らかくすることはできません。
- ベタっと大きいデザインは、少し貼った感じが出ます。これは白トナーに限らず、どの製法でも同じ傾向です。
- この動画は抜ける転写紙タイプWでの仕上がりです。全面転写タイプの転写紙は、プリント直後の手触りが違います。また、海外製の転写紙では糊や樹脂の設計が違うため、同じ風合いになるとは限りません。
- 洗濯で繊維が粗くなるほど劣化する生地では、プリントも一緒に割れることがあります。
- この動画では、ほかの製法と並べて柔らかさを比べてはいません。白トナーと小型DTFの触り心地の比較は白トナーと小型DTFの仕上がり比較の記事をご覧ください。
- 動画のプレス条件(130℃・20〜30秒)、堅牢度の表記(5級)、導入台数(年間約100台)は撮影当時のものです。
よくある質問
- 白トナープリントをすると、Tシャツが硬くなりますか?
- ほとんど変わりません。抜ける転写紙は、熱で溶けた柔らかい糊が繊維の奥に入って定着するため、仕上がりの硬さは生地自体の硬さに連動します。動画では、少し硬めのTシャツはプリントしていない部分も同じように硬く、シルキーで柔らかいナイロンはプリント後も柔らかいまま、と実物で説明しています。ただし、硬い生地を柔らかくすることはできません。
- ベタっと大きいデザインでも、柔らかく仕上がりますか?
- 抜けのあるデザインに比べると、少し貼った感じが出ます。それでも、他の製法と比べて分厚いという声は少ない(お客様の声)と動画で話しています。より柔らかく仕上げたいときは、地の生地が見える部分がある「抜けのあるデザイン」にするのが効果的です。
- 思いきり引っ張ると、プリントは割れますか?
- 動画では、縫製されたTシャツは伸びがある程度に抑えられ、着る方が自分の服を意図的に強く伸ばすことはないので、普段使いでは問題ないと説明しています。思いきり引っ張って確かめるのは、仕上がりを確認するプリント業者ならではの確かめ方です。ただし、洗濯で繊維が粗くなるほど劣化する生地では、繊維に定着しているプリントも一緒に割れます。
- ドライTシャツ(ポリエステル)にも使えますか?
- 使えます。動画では、ポリエステルの生地は綿に比べて洗濯によるダメージが少なく、ドライTシャツへのプリントでも多く使われていると話しています。黒のドライTシャツでの手順は黒のドライTシャツにフルカラープリントする方法の記事をご覧ください。
- 汗をかいたときの着心地はどうですか?
- 汗をかいたときの着心地は、白トナー・DTF・DTG(ガーメント)を真夏に着て比べた汗をかいたとき、プリント部分はどうなる?の記事でまとめています。抜けのあるデザインなら、どの製法でも汗だまりは感じにくい、という結果でした。
- 実際に触って確かめられますか?
- はい。白トナープリント×抜ける転写紙の無料サンプル(サンプル代・送料とも無料)をお送りしています。東京・大阪・福井のショールームでは、プリントしたウェアを直接触っていただけます(無料・要予約)。
この記事のもとになった動画
白トナープリントTシャツの柔らかさについて 業者様向け白トナープリント講座(動画公開当時。プレス条件・堅牢度の表記・導入台数は当時のもの)
柔らかさは、触って確かめるのがいちばんです
白トナープリント×抜ける転写紙の無料サンプルをお送りしています(サンプル代・送料とも無料)。
東京・大阪・福井のショールームでは、プリントしたウェアを直接触っていただけます(無料・要予約)。
※本記事の堅牢度・耐久性は2026年10月時点の当社商品ページの情報です。手触り・柔らかさは動画で実際に触った感想で、数値で測ったものではありません。
メーカーの売り文句ではなく、現場で刷って、売って、サポートしてきた事実だけをお伝えします。


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