QUICK ART PRINT ACADEMY | クイックアート プリントアカデミー記事一覧 →
PLACEMENT / プリント位置

「胸のあたりに、いい感じで」を、
数字の指示書に変える。

プリントTシャツの受注で、必ず発生するのが「どこに、どの大きさで刷るか」の確認です。発注者は見た目で考え、業者は数字で考える。この言葉のズレが、メールの往復や「思っていた位置と違う」というトラブルを生みます。

クイックアートが無料で公開しているTシャツ プリント配置ツールは、発注者が見た目で決めた位置を、そのまま業者が使える数値の指示書にします。この記事では、ツールの使い方だけでなく、受注から位置決め・プレスまでをどう回すかを、プリント業者の実務目線で解説します。

Tシャツ プリント配置ツールの紹介(約7分)

0円利用料(インストール不要)
4面前・後・左袖・右袖に対応
5mm指示書の数値を現場で使いやすい単位に整理
50:2950枚の実測で最長だった「位置決め」工程
この記事の結論
  • 位置確認がこじれるのは、発注者は「見た目」、業者は「数値」で考えているから。どちらが悪いわけでもない
  • 配置ツールなら、発注者が実寸比のTシャツの上で位置と大きさを決め、襟下・中心位置・幅・高さが入った配置指示書PDFが出る
  • PDFは業者と発注者が同じ資料を持つことになり、「言った・言わない」のトラブル防止になる
  • 指示書の数値は、そのまま現場の位置決め(定規・レーザー・プロジェクター)に使える。確認の往復と、位置決めの迷いを同時に減らせる
01 / WHY

なぜ「位置の確認」は毎回こじれるのか

プリント業者が発注者に必ず確認するのが、「ボディのどの位置に、どの大きさでプリントするか」です。ところが、発注者と業者では頭の中の言葉が違います。

発注者の頭の中業者が必要な情報
胸のあたりに襟ぐりから何mm下か
いい感じの大きさでプリント幅・高さが何mmか
真ん中に身頃の中心線から左右にずれていないか
みんな同じ位置でS・M・Lでそれぞれ何mmにするか

この翻訳をメールや電話でやるから、往復が増えます。しかも数字の確認があいまいなまま刷ると、仕上がりを見た発注者から「思っていたより下」と言われる。どちらも悪くないのに、刷り直しのコストは業者が負うことになりがちです。

実例:当社がTシャツ50枚の全工程を実測した案件では、発注者から「襟ぐりから4cm下」という数値の指定がありました。数値があれば、現場は迷わず作業できます。それでも位置決めは全7工程で最長の50分29秒。数値がなければ、さらに時間がかかっていたはずです(後工程ガイド)。
02 / TOOL

Tシャツ プリント配置ツールとは

プリントしたい画像をTシャツの上に置き、位置と大きさを見た目で決められるWebツールです。品番・サイズに合わせた実寸比のTシャツの上で配置し、決定した内容を「配置指示書PDF」として保存できます。

プリント配置ツールでTシャツの前面にロゴを配置した画面
Tシャツの外形の上にロゴを置いた状態。上部に寸法が表示されます。
インストール不要

ブラウザで開くだけ。パソコン・タブレット・スマホに対応(細かな調整は大きな画面がおすすめ)。

実寸ベースで表示

Tシャツと画像をmm単位の寸法から縮尺表示。サイズを変えるとTシャツ側の大きさが変わります。

背景は自動で除去

.aiなどほとんどのファイル形式に対応。イラスト部分だけを取り込み、余計な背景は除去されます。

配置指示書PDF

襟下・中心位置・プリントサイズをまとめた指示書を、1面1ページで書き出せます。

03 / HOW TO

使い方は4ステップ

  1. 品番とサイズを選ぶ
    プリントするTシャツの品番とサイズを選択。選んだ商品の寸法に合わせてシルエットが表示されます。品番ごとに、実際にあるサイズだけが選択肢に出ます。
  2. プリントしたい画像を読み込む
    画像を追加し、「前身頃」「後身頃」「左袖」「右袖」から配置する面を選びます。反転や、複数の画像を置くこともできます。
  3. ドラッグして位置と大きさを決める
    画像を直接動かし、四隅をつまんで大きさを調整。胸中央・左胸などのプリセットからも選べます。
  4. 配置指示書PDFを保存する
    発注者情報を入力し、「配置指示書PDFを保存」から書き出します。このPDFを業者へ送れば、位置の確認は完了です。
Tシャツの品番を選ぶプルダウン
定番ボディの品番から選択。リストにないボディも登録していけます。

よく使う位置は、プリセットで一発

面プリセット
前身頃胸中央(大)/胸中央(小)/左胸ワンポイント/右胸ワンポイント/ボディ全面
後身頃背中中央(大)/背中中央(小)/首下ワンポイント
左右の袖袖ロゴ/袖大

プリセットはTシャツのサイズに連動します。同じ「胸中央(大)」でも、SサイズとLサイズでは身幅に合わせて配置サイズが変わります。

前・後ろ・袖の面を選ぶ画面
前・後ろ・左右の袖。プリントする可能性のある場所はひと通りカバーしています。
04 / NUMBERS

指示書に出る「数値」が、このツールの本体です

画像は感覚的にドラッグして配置しますが、業者に渡すときにあいまいにならないよう、配置を数値にまとめます。

項目意味現場での使い道
襟下襟ぐり中央から画像上端までの距離上下の位置決め。作業台にテープで基準を貼れば毎回測らずに済む
中心位置身頃の中心線を基準に、中央か左右どちらへ何mmか十字レーザーの縦線に合わせるだけで左右が決まる
プリント幅・高さ配置した画像の実寸印刷データの出力サイズをそのまま決められる
実効解像度配置した実寸に対する画像の解像度(dpi)拡大しすぎて画像が粗くならないかを事前に判断できる

※袖の場合は「襟下」ではなく、肩線から画像上端までの「肩下」で表示されます。

細かすぎる数字にしない「スナップ」

感覚で動かした結果が「襟下41.3mm」のような数字になると、現場では逆に扱いにくくなります。そこでツールは、数値を自動で整えます。

中心線にスナップ

中心付近に動かすと中央に吸着し、「中央」として扱います。左右のわずかなズレが指示書に残りません。

5mm単位に整理

襟下やプリント幅を、作業現場で扱いやすい5mm刻みに整えます。

はみ出しは警告

裾・襟・袖など、Tシャツの形から外れる配置は警告が出ます。

出力された配置指示書PDF
配置指示書PDF。品番・サイズ・面・配置位置・プリントサイズがまとめて表示されます。
PDFは「証拠」にもなります。業者と発注者が同じPDFを持っているので、仕上がり後に「言った・言わない」になりません。業者にとっては刷り直しリスクを減らす保険、発注者にとっては「伝わったか」の不安がなくなる安心材料です。
05 / SIZE

S・M・Lで、プリント位置はどう変える?

同じデザインを全サイズで刷るとき、すべて同じ襟下にすると、小さいサイズでは低く、大きいサイズでは高く見えてしまいます。当社の目安は「1サイズ上がるごとに、約1cmずつ下げる」です。

サイズ襟下の目安(Mで70mmの場合)
S約60mm
M70mm(基準)
L約80mm
XL約90mm

※基準値は例です。実際はデザインとボディで調整してください。詳しくはプリント位置決め 完全マニュアルで解説しています。

配置ツールは品番・サイズごとの身丈・身幅・肩幅・袖丈をもとに実寸比で表示するので、サイズを切り替えて見え方を確認しながら、サイズごとの指示書を作れます。

06 / WORKFLOW

受注からプレスまで、配置ツールを入れた流れ

ツールは「使い方」より「どこに組み込むか」が大事です。プリント業者が受注フローに入れる場合の、おすすめの流れです。

  1. 見積り・受注時に、ツールのURLを送る
    「位置と大きさはこちらで決めて、PDFを送ってください」と案内するだけ。発注者は見た目で決められるので、専門知識はいりません。
  2. 配置指示書PDFを受け取る
    襟下・中心位置・プリント幅がそろった状態で届きます。実効解像度が低ければ、この時点で画像の差し替えを依頼できます。
  3. PDFの数値で印刷データを作る
    プリント幅・高さをそのまま出力サイズにします。
  4. 現場で位置決めする
    襟下は作業台のテープ基準、中心はレーザーの縦線で合わせます。指示書の数値が5mm単位なので、迷わず置けます。
  5. プレスして、PDFと見比べて検品
    仕上がりを指示書と照らし合わせれば、出荷前のチェックも数値でできます。
工程ツールなしツールあり
位置の確認メール・電話で何度も往復PDF 1通で完了
サイズ違いの指定口頭で「全部同じ感じで」サイズごとの数値が残る
画像の粗さ刷ってから気づく実効解像度で事前に分かる
現場の位置決め1枚ずつ測って迷う指示書の数値どおりに置くだけ
仕上がり後のトラブル「言った・言わない」同じPDFで確認できる

現場での位置決めそのものを速くする方法は、位置決め 完全マニュアル(L字定規・十字レーザー・プロジェクター)で、プレスのコツはTシャツプレスの基本で解説しています。

07 / NOTES

使う前に知っておきたいこと

このツールは「印刷できる範囲」を判定するものではありません。Tシャツ上で希望する配置を決め、その内容を業者へ伝えるためのツールです。プリント可能範囲やプレス機・印刷機の制約は、機材によって異なります。最終的な可否は、作業する業者が確認してください。

登録している主なTシャツ

メーカー主な品番
トムス(Printstar)00085-CVT、00148-HVT、00086-DMT、00113-BCV ほか
トムス(glimmer)00300-ACT、00304-ALT ほか
キャブ(United Athle)5001シリーズ、5942-01、5900シリーズ、5508-01、5011-01
08 / MORE TOOLS

プリント業者向けの無料ツールは、ほかにもあります

クイックアートは、プリントの現場で「そこ困ってた」というニッチな作業を助けるツールを開発・公開しています。

デザインツールの一覧を見る →

FAQ

よくある質問

料金はかかりますか?
無料です。インストール不要で、ブラウザから誰でも使えます。
配置するときに数値を入力する必要がありますか?
必要ありません。画像をドラッグして動かし、四隅で大きさを決めるだけです。数値はツールが計算し、5mm単位に整えて出力します。
前と後ろ、袖にも指定できますか?
前身頃・後身頃・左袖・右袖をそれぞれ独立して指定できます。画像を置いた面だけが、1面1ページの指示書になります。
一覧にないTシャツでも使えますか?
定番品番からの選択のほかに、対象以外のボディを登録していくことができます。
この画面で問題なければ、そのまま印刷できますか?
ツールは配置の希望を決めるためのもので、印刷機・プレス機の印刷可能範囲は判定しません。最終的な可否は業者が確認してください。
サイズ違いでは、位置をどれだけ変えればいいですか?
当社の目安は、1サイズ上がるごとに約1cmずつ下げることです。ツールで各サイズを切り替えて見え方を確認しながら決めてください。

位置確認の往復を、今日からゼロに。

Tシャツ プリント配置ツールは、無料でお使いいただけます。

プリント配置ツールを開く 位置決め 完全マニュアルを読む
QUICK ART PRINT ACADEMY
クイックアート プリントアカデミーの記事

メーカーの売り文句ではなく、現場で刷って、売って、サポートしてきた事実だけをお伝えします。

比較白トナープリンターとDTF、本当はどっち?xToolの比較記事を9項目で検証。量産スピードはDTFアパレルプリンターの4倍以上。比較国産“抜ける転写紙”と海外製転写紙の違い剥がし方・トナー・7年保証の違いを、動画と写真で比べました。実測後工程ガイド|Tシャツ50枚の全7工程を実測総作業2時間57分のうち88.6%は印刷後。どこを削れば速くなるか。作業ガイド4辺カットは裁断機で|22分→6分ハサミ・カッター・裁断機を実際に比べた結果。作業ガイドプリント位置決め 完全マニュアルL字定規・十字レーザー・プロジェクターの3段階。S・M・Lの位置の考え方も。作業ガイドTシャツプレスの基本下ゴテにかぶせる理由、圧力、プレス機2台で生産性1.5〜2倍。

プリントアカデミーの記事一覧へ →