プリントTシャツの洗濯、
お客様にどう伝えるか
タグの洗濯表示・やってはいけない3つ・紙で渡す案内
記事公開:2026年10月 / もとの動画:2021年6月公開(洗濯の注意点は現在も変わりません)
「洗濯で気をつけることはありますか?」「ドライクリーニングは大丈夫?」——プリントTシャツを納品すると、お客様からこう聞かれます。答えに困る、という業者様の声もよく聞きます。
洗濯に強いプリントでも、何をしてもいいわけではありません。してよいこと、おすすめの方法、してはいけないことを整理して、自信を持ってお渡しできるようにまとめました。
洗濯の注意は、まずTシャツのタグの洗濯表示が示しています。多くのプリント用Tシャツは、プリントの製法に関係なく生地そのものがタンブル乾燥禁止です。
そのうえで、プリントとしてやってはいけないのは①漂白剤・柔軟剤 ②タンブラー乾燥 ③プリント面への直接アイロンの3つ。実際に試すと、いちばん危ないのは直接アイロンでした。
洗濯のことは口頭で伝えても残りません。洗濯表示・プリントの禁止事項・洗い方のコツの3つを、紙に書いてTシャツと一緒に渡すのがいちばん確実です。
プリントTシャツの洗濯の注意点 プロの伝え方を案内します(16分31秒)
01 洗濯の伝え方(このページ)=お客様に洗濯の注意をどう案内するか / 02 洗濯堅牢度=試験の等級は何を意味しているか / 03 汗と着心地=汗をかいたとき、プリント部分の着心地はどうか
洗濯の注意は、まずタグが示している
見落とされがちですが、プリントする前の無地のTシャツ自体が、洗濯の推奨・注意点をすでに示しています。まず押さえてほしいのは、このタグの洗濯表示です。
洗濯表示は、平成28年(2016年)12月から新しい記号に変わっています。洗濯の仕方・漂白の仕方・乾燥の仕方・アイロンのかけ方・クリーニングの種類が記号で示されていて、一覧は消費者庁がPDFで公開しています。
プリント用Tシャツに多い、共通の表示
当社でプリントしている多くのTシャツのタグを見ると、だいたい似た表示でした。例として、プリントスターの定番ヘビーウェイトTシャツ(085-CVT)の表示です。
| 項目 | 表示の意味 |
|---|---|
| 洗濯の仕方 | 液温は40℃を限度とし、洗濯機で弱い洗濯ができる |
| 漂白の仕方 | 塩素系および酸素系漂白剤の使用禁止 |
| 乾燥の仕方 | タンブル乾燥禁止 |
| 自然乾燥 | 日陰のつり干しがよい |
| アイロンのかけ方 | 底面温度150℃を限度としてアイロン仕上げができる |


ただし、タグの表示だけでは足りません
タグには「150℃までアイロン可」とあっても、プリント面に直接アイロンをかけるのは禁止です。タグはあくまで無地の生地の表示なので、プリントとしての注意は、別にお伝えする必要があります。生地も洗濯表示もさまざまなので、洗濯表示の紙を1枚つけてあげると親切です。
やってはいけない3つを、実際にやってみた
当社がご案内しているプリントの禁止事項は、次の3つです。白トナープリントの抜ける転写紙 Type-Wで、実際に試しました。
ポリエステル生地に同じ柄を2つプリントし、ハサミで切り分けて、1つは試す・1つは何もしないで並べて比べています。
① 漂白剤・柔軟剤 → ほとんど違いなし
ドラッグストアで一般的に売っている漂白剤・柔軟剤・洗剤を入れて洗濯機で洗い、干して12時間ほど経ったものを比べました。
左が漂白剤・柔軟剤を使ったもの、右が何もしないもの。ほとんど違いはありませんでした。
② タンブラー → ほとんど違いなし


こちらも、比べてほとんど違いはありませんでした。
③ プリント面に直接アイロン → くっついて、傷んだ


アイロンをかけたいときは、シリコン加工(リケイ材)のクッキングシートなどでプリント面を保護してください。(当社の当て紙 リケイ紙NP も使えます)
「大丈夫だった」のに、禁止にしている理由 ここが大事
漂白剤とタンブラーは、今回の検証では問題ありませんでした。それでも禁止事項にしているのには理由があります。
| 禁止事項 | 理由 |
|---|---|
| 漂白剤・柔軟剤 | 今回使ったのは一般的な市販品。強力な漂白剤の場合はトラブルの可能性があります |
| タンブラー | タンブラーは機種によって温度が違い、200℃近くまで上がるものもあります。抜ける転写紙は125℃ほどの低温で転写しているので、熱転写全般として、転写温度より高い温度が加わると、冷えて固まったプリントが浮き上がってくるリスクがあります |
| 直接アイロン | プリントが熱で溶けてアイロンにくっつき、イラストが傷みます |
つまり、抜ける転写紙は洗濯にとても強いけれど、熱転写全般としてタンブラーはおすすめしない、ということです。刺繍でさえ、タンブラーでは糸が切れるなどのダメージがあります。プリント全般で、タンブラーは非推奨とお伝えください。
長持ちさせる、洗い方のコツ
禁止事項に加えて、次の洗い方をお伝えすると、プリントがより長持ちします。プリントTシャツを着る方ご自身にも役立つテクニックです。


| コツ | 理由 |
|---|---|
| プリント面を裏返しにして洗う | プリント面がほかの洗濯物や洗濯槽にこすれない |
| 洗濯ネットに入れる | ほかの衣類(ファスナー・ボタンなど)との摩擦ダメージを防ぐ |
| 脱水を短くし、洗濯後はできるだけ早く干す | 脱水したまま放置すると、くしゃくしゃのまま固まって跡がつく。特にイラストがベタっと大きいときに注意 |
| 日陰のつり干し | タグの表示どおり。乾燥機は使わない |
| プリント後24時間以内は洗濯しない | 1日ほど置くと、定着がよりしっかりする |
なぜ「24時間は洗わない」のか
熱転写は、熱でプリントを生地に押し込み、冷えて固まることで定着します。プリント直後はまだ冷えきっておらず、生地との密着も柔らかい状態です。1日ほど置くと、定着がよりしっかりします。
プリント直後に生地をぐっと伸ばして「洗濯に弱そう」と感じる方もいますが、決してそうではありません。冷えて固まれば、本来の強さになります。
口頭ではなく、紙で渡す このページの核心
実際に取引先様から聞いた話です。同じデザインのTシャツを20枚ほどお渡ししたところ、1人の方だけから洗濯のクレームが来ました。よくよく話を聞いていくと、強い漂白剤を使っていたようで、さらに脱水してから干すまでの時間が長かったことも分かりました。
同じものを渡しても、洗い方は人それぞれです。販売者として、どこまで責任を負うか。正直なところ、着る方の洗濯の細かいところまでは管理できません。洗濯表示を見てもパッとは分からない方も多いはずです。


伝えるのは、この3つ
- 洗濯表示を伝える(タグの記号の意味)
- プリント製法による、洗濯の禁止事項を伝える(漂白剤・タンブラー・直接アイロン)
- 洗濯のテクニックを伝える(裏返し・ネット・早く干す)
はがきくらいの大きさにまとめて、Tシャツと一緒にお渡しするのがおすすめです。お使いのTシャツのタグに合わせて調整してください。
長くきれいにお使いいただくため、次の点にご注意ください。
■ お洗濯の前に Tシャツのタグの洗濯表示をご確認ください。
■ してはいけないこと
・漂白剤・柔軟剤のご使用はお控えください
・タンブラー(乾燥機)は使わないでください
・プリント面に直接アイロンをかけないでください(かける場合はクッキングシートなどを当ててください)
■ 長持ちさせるコツ
・プリント面を裏返し、洗濯ネットに入れて洗ってください
・脱水は短めにして、洗濯後はできるだけ早く、日陰につり干ししてください
・お受け取り後24時間以内のお洗濯はお控えください
「洗濯100回」は、前提つきの数字です
当社の抜ける転写紙でプリントしたTシャツは、ここまでの注意を守っていただければ、洗濯100回は優に超えます。実際に、Type-Wで作ったTシャツを寝間着として2〜3年着続け、洗濯ネットも裏返しもせずに100回ほど洗濯したものでも、生地は少しくたびれたものの、イラストにダメージは見られませんでした。
ただしこれは、洗濯堅牢度5級の当社の国産転写紙が前提の話です。
今回、漂白剤やタンブラーで「ほとんど違いがなかった」のは、当社の国産・抜ける転写紙での結果です。他の製法や海外製の転写紙が、タンブラーや漂白剤でどうなるかは分かりません。同じ白トナープリンターでも、転写紙が変われば結果は変わります。お客様への案内文は、実際に使っている転写紙で洗濯テストをしてから決めてください。
→ 国産“抜ける転写紙”と海外製転写紙の違い
プリント業の方が、洗濯テストをするときの注意
| 注意点 | 内容 |
|---|---|
| プリント直後に洗わない | プリント後24時間以内は洗濯しない |
| タンブラーで試して判断しない | 刺繍でも糸が切れるほど負荷がかかる。プリント全般で非推奨 |
| 使う転写紙そのもので試す | 洗濯堅牢度の等級だけでは剥がれは分からない。→ 02 洗濯堅牢度 |
| プレスを見直す | 圧力が足りないと、どの製法でも洗濯で落ちる。→ Tシャツプレスの基本 |
このページのまとめ
- 洗濯の注意は、まずTシャツのタグの洗濯表示が示している
- 多くのプリント用Tシャツは、製法に関係なく生地そのものがタンブル乾燥禁止
- タグは無地の表示。プリント面への直接アイロン禁止は別に伝える
- 禁止事項は漂白剤・柔軟剤/タンブラー/直接アイロンの3つ。直接アイロンは実際に傷んだ
- コツは裏返し・洗濯ネット・脱水短め・早く干す・24時間は洗わない
- 洗濯の案内は口頭ではなく紙で。洗濯表示・禁止事項・コツの3つを書いて渡す
- 「洗濯100回超」は当社の国産転写紙が前提。海外製や他製法は前提が違う
よくある質問
ドライクリーニングに出しても大丈夫ですか?
まずTシャツのタグの洗濯表示をご確認ください。多くのプリント用Tシャツは、プリントの製法に関係なく、生地自体がタンブル乾燥やクリーニングを禁止しています。家庭での洗濯(裏返し・洗濯ネット使用)をおすすめください。
漂白剤を使ってしまいました。もう落ちますか?
一般的な市販の漂白剤・柔軟剤で洗った当社の抜ける転写紙は、何もしないものとほとんど違いがありませんでした。ただし強力な漂白剤ではトラブルの可能性があるので、お客様には使わないようご案内ください。
タンブラーで問題なかったのに、なぜ禁止なのですか?
タンブラーは機種によって温度が違い、200℃近くまで上がるものもあります。抜ける転写紙の転写温度(約125℃)より高い熱が加わると、プリントが浮き上がってくるリスクがあるからです。そもそも多くのプリント用Tシャツは、生地自体がタンブル乾燥禁止です。
シワを伸ばしたいときは、どうすればいいですか?
プリント面に直接アイロンを当てるとくっついて傷みます。裏から当てるか、シリコン加工のクッキングシートや当て紙(リケイ紙NPなど)をプリント面にのせてからアイロンをかけてください。
海外製の白トナー用転写紙でも、同じ注意で大丈夫ですか?
注意点そのものは共通ですが、「漂白剤やタンブラーでもほとんど変わらなかった」という結果は当社の国産転写紙でのものです。海外製の転写紙では結果が変わる可能性があるので、必ず実際に使う転写紙で洗濯テストをしてください。
お客様に渡す洗濯の案内は、何を書けばいいですか?
洗濯表示を確認すること、プリントの禁止事項(漂白剤・柔軟剤/タンブラー/直接アイロン)、長持ちさせるコツ(裏返し・ネット・早く干す)の3つです。このページの文例をそのままお使いください。
メーカーの売り文句ではなく、現場で刷って、売って、サポートしてきた事実だけをお伝えします。


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