昇華転写で
オリジナルマグカップを作る。
メタリックマグも
卒業式や入学式、結婚式、サークルのイベント——記念品やお祝いの品として、写真や名前を入れたマグカップは根強い人気があります。マグカップの多くは昇華転写で作られていて、昇華プリンターとマグカップ専用のプレス機があれば、机の上で1個から作れます。
この記事では、当社の動画2本をもとに、マグカップの作り方を順番にまとめました。プレス時間を1分・2分・3分で比べた結果、写真のプリントで起きた失敗、メタリックマグカップの仕上がり、そしてマグカップを仕事にするときの考え方です。動画の「設備投資10万円」は撮影時の価格なので、2026年10月時点の価格と分けて書いています。
- 必要なのは昇華プリンター・糊なしの昇華転写紙・昇華用マグカップ・マグカッププレス機・耐熱テープ。100円ショップのマグカップは使えない
- 動画の検証では、193℃・3分がいちばんしっかり色が出た。1分は薄く、ほとんど転写できていなかった
- マグカップのプレスは、始めると温度がいったん下がる(約90秒で165℃)。その分を見込んで計3分
- 失敗の多くは転写紙とマグの間の空気。耐熱テープをしっかり使い、マグが冷めているうちに貼る
- メタリックマグは、背景がキラキラのメタリックになる。作り方は白いマグと同じ
- 撮影時は約10万円でそろった設備も、2026年10月時点では構成と価格が変わっている(下の表)
マグカップの昇華転写とは
昇華転写は、昇華インクで転写紙に印刷し、熱でインクを気体にして素材に染み込ませるプリント方法です。Tシャツならポリエステル生地に、マグカップなら表面の昇華用コーティングに染み込みます。昇華転写のしくみや、ポリエステル限定である理由は昇華転写の基礎で解説しています。
インクが表面に乗るのではなく染み込む(染める)ので、洗っても落ちにくいのが昇華転写のよいところです。動画でも「仕上がりのきれいさと、マグカップを普段使いしても心配がない」ことを、マグカップに昇華転写が使われている理由として挙げています。

マグカップがよく使われるのは、お祝いごとやイベントです。卒業式・入学式・結婚式などの節目のお祝い、サークル活動の記念品など、幅広く定期的なイベントで選ばれています。保育園・幼稚園から大学まで、卒業シーズンに使われることが多いようです。
そろえるもの(撮影時と2026年10月時点)
動画では「新しい販売アイテムを考えている方は、10万円以内でそろえられる機材なのでご検討ください」と紹介していました。ただしこれは撮影時の価格と品ぞろえです。2026年10月時点の当社サイトの内容と並べました。
| そろえるもの | 動画撮影時 | 2026年10月時点(当社サイト) |
|---|---|---|
| 昇華プリンター | A4の昇華プリンター(RIP付き)73,000円(税別) | A3の業務用セット「TexStylus320R 昇華プリントシステム」(RIPソフト付き・受注生産)118,580円(税込)。A4の昇華プリンター本体は商品一覧に掲載なし |
| マグカッププレス機 | 当社オリジナルのマグカッププレス機 26,000円(税別) | JL-CO001A マグカップ専用プレス機(動画と同じ機種の商品ページ)。価格は商品ページでご確認ください |
| 昇華用転写紙 | 糊なし。1枚約30円 | 布用の糊付きと、陶器用の糊なしの2種類(A4・A3) |
| 昇華用マグカップ | 1個400円 | 11oz・白無地(日本製の白無地段ボール化粧箱付き)1個440円(税込) |
| 耐熱テープ | 別売 | 別売(転写紙の固定に使用) |

撮影時はプリンター73千円+プレス機26千円で約10万円でしたが、2026年10月時点の当社の昇華プリンターはA3の業務用セットのみで、プリンターだけで118,580円(税込)です。「10万円以内」は撮影時の話として読んでください。
※マグカッププレス機の価格は、商品ページの中で表記が異なる部分があるため、この記事では金額を載せていません。ご購入前に商品ページかお電話でご確認ください。
マグカッププレス機(JL-CO001A)の主な仕様
| 項目 | 内容(2026年10月時点の商品ページ) |
|---|---|
| 対応マグサイズ | 直径約75〜80mm(11oz)・約63mm・約55mmの3種類のユニット付き |
| 温度・時間 | 0〜199℃。動画では「温度は199℃まで、秒数は999秒まで設定できる」と紹介 |
| 温度の上がり方 | 130℃まで約1分40秒、199℃まで約3分40秒 |
| 電源 | 100V・300W(家庭用のコンセントで使える) |
| 作業時間の目安 | プレス自体は約3分。準備を含めて1カップあたり約5〜8分 |
| 保証・修理 | 保証期間1年。修理は福井県の自社工場で、通常2〜3日 |

転写紙に印刷する
まず、昇華プリンターで糊なしの昇華転写紙に印刷します。転写紙には糊ありと糊なしがあり、マグカップのような硬いものには糊なしを使います。マグカップの表面に貼ってから転写するので、左右反転で印刷します。

動画で使った転写紙は速乾タイプで、印刷した直後にはインクが乾いていました。印刷から5分たたずに作業しても、手にインクがつくなどの問題はありませんでした。
A4 1枚でマグカップ3個。材料費は1個約20円(撮影時)
マグカップのプリント部分の高さは約9cm。全面イラストの標準的なサイズなら、A4の転写紙1枚でマグカップ3個分を印刷できます。動画撮影時の目安は、転写紙が1枚約30円、印刷代(当社純正インク)が約30円で、合わせて約60円。3個で割ると1個あたり約20円です。イラストの大きさや色の量で変わるので、原価計算の参考にしてください。

※2026年10月時点の当社のマグカップの商品ページでは、印刷範囲は縦80mm×横200mm、フチ(飲み口)から1cm程度離してプリントするよう案内しています。フチぎりぎりにプリントすると、カップの中にインクが飛ぶことがあります。
転写紙を貼って、プレス機にセットする
印刷した転写紙を、ちょうどよい大きさにハサミで切り、印刷面をマグカップに向けて巻きつけます。位置を決めたら、耐熱テープで止めます。

普通のセロハンテープは、プレスの高熱で溶けてしまいます。位置決めには必ず耐熱テープを使ってください。耐熱テープは別売で、昇華転写用のマグカップと一緒に用意しておきます。

マグカップをプレス機にセットしたら、圧力を調整します。プレス機のつまみで圧力の強弱を変えられ、セットしたときに若干の反発があればOKです。圧力が弱すぎると転写に影響が出ます。動画でも最初は圧力が強すぎ、調整に15秒ほどかかっていました。
プレス時間を1分・2分・3分で比べました
当社の案内は「約190℃で3分ほど」です。動画では、本当に3分が必要なのかを確かめるため、193℃で1分・2分・3分の3パターンを試しました。
プレスを始めると、温度がいったん下がる
マグカッププレスには、平らなプレス機とは違う特徴があります。プレスを始めると、プレス機の温度がどんどん下がっていくのです。動画では193℃で始めて、約90秒で165℃まで下がり、そこを最低にして上がり始めました(残り30秒のあたりで約176℃)。

結果:1分は薄く、3分がいちばんしっかり
| プレス時間(193℃) | 仕上がり |
|---|---|
| 1分 | 薄い。ほとんど転写できていない。転写紙にインクが残っていた |
| 2分 | 1分よりずっときれい |
| 3分 | しっかり色が出て、商品にふさわしい仕上がり |

1分が薄かったのは、プレスを始めて温度が下がっている間に終わってしまい、180℃以上の高温で転写している時間がほとんどなかったためです。温度が下がってから上がり始めることを考えると、計3分は必要というのが動画の結論です。

※2分・3分の検証は、前のプレスでマグカップが温まった状態から始めています(5分ほど置いても、ほとんど冷めませんでした)。冷めたマグカップから始めると、さらに時間が必要になる可能性があります。動画では、マグカップを事前に温める必要は基本的にない、とも補足しています。
写真のプリントで起きた失敗と、注意点
写真は、マグカップで人気のデザインです。動画では卒業記念のような写真を193℃・3分でプリントしましたが、一部に転写できていない部分ができました。

原因は、転写紙とマグカップの間に入った空気です。続けてプレスしていたためマグカップが熱すぎて、転写紙をしっかり押さえられず、耐熱テープの貼り方が雑になっていました。
- 耐熱テープを多めに使い、転写紙とマグの間に空気が入らないように止める
- 貼る作業は、マグカップが冷めているうちに行う
- プレス後のマグカップはとても熱いので、軍手を使う。5分ほど置いてもあまり冷めない
空気を抜いて貼り、193℃で3分プレスすれば、大きなトラブルは基本的にありません。動画でも「テクニックはそれほど要らない製法」と話しています。
※2026年10月時点のマグカップの商品ページでは、冬場はマグカップが冷えて転写しづらくなるので室温(20〜35℃程度)にしてからプリントすること、手の油がつかないよう手袋をすることもすすめています。
メタリックマグカップの作り方
もう1本の動画では、メタリックカラーのマグカップ(11oz)を紹介しました。撮影時はシルバー・ゴールド・ピンクの3色で、普通の白いマグカップと違い、背景がキラキラのメタリックになります。
作り方は白いマグカップと同じです。RIP付きの昇華プリンターで糊なしの昇華転写紙に写真を印刷し、ハサミで切って、耐熱テープでマグカップに貼ります。動画でも途中で空気が入っている部分が見つかり、テープを止め直してからプレスしました。193℃・3分でプレス。プレス直後はとても熱いので、少し冷ましてから転写紙をはがしています。

白いマグカップと比べてオリジナリティが出て、置いておくだけでも見栄えがします。動画では、記念写真のマグカップの新しい表現として、インテリアや店頭のポップにも使えると紹介しています。
※2026年10月時点で、当社のメタリックカラーマグカップはゴールドとシルバーが在庫終了で終売(入荷予定なし)、メタリックピンクのみ在庫限り(1個440円・税込)です。
マグカップを仕事にするときの考え方
マグカップをネットで検索すると、大手の安い値段が出てきます。動画では、それでも地域のプリント業者に仕事が来る理由として、安心感を挙げています。
たとえば保育園の先生は、普段の業務が忙しいなかで、卒業記念品のデータのやり取りまで手が回りません。「○○さんに頼めば大丈夫」と思ってもらえれば、先生が異動しても「あそこに頼めば大丈夫」と引き継がれます。定期的な注文や口コミからの注文では、価格よりもこの安心感がいちばん大事、というのが動画での考えです。
オリジナルデザインの販売でも、マグカップには余地があります。ハンドメイドのイベントでは、トートバッグやTシャツは多くても、マグカップは少ないアイテムです。導入することで、地域の中でライバルがいない状態をつくれるかもしれません。
- 箱に入れる、「卒業おめでとう」などのメッセージカードを添える——大手がやりにくい付加価値をつける
- 作る工程そのものが楽しいので、人を集めるイベントで作ってみせるのも一案(口コミにつながる)
- マグカップをきっかけに、ほかのグッズへ広げていく入り口としても向いている
価格競争に巻き込まれない売り方は、プリントTシャツの上手な売り方3つでも紹介しています。
向かないケースと注意点
この記事のプレス時間と温度は、動画で使ったマグカップ・転写紙・プレス機での結果です。マグカップや転写紙が変われば、最適な条件も変わる可能性があります。本番の前に、同じ材料で1個試してから作ってください。
また、動画で使ったA4の昇華プリンターは、2026年10月時点の当社の商品一覧には載っていません。「約10万円で始められる」は撮影時の構成と価格です。いまの構成と価格は、商品ページかお電話でご確認ください。
よくある質問
- マグカップへの昇華転写は、何度・何分でプレスすればいいですか?
- 動画では193℃で1分・2分・3分を比べ、3分がいちばんしっかり色が出て、商品にふさわしい仕上がりでした。1分では薄く、ほとんど転写できていませんでした。マグカップのプレスは、プレスを始めると温度がいったん下がり(動画では約90秒で165℃まで)、そこから上がっていくため、計3分は必要と考えています。
- 100円ショップのマグカップでも昇華転写できますか?
- できません。昇華転写は、表面に昇華用のコーティングがされたマグカップにインクを染み込ませる方法です。コーティングのない一般的なマグカップでは、うまく転写できません。昇華転写用のマグカップを用意してください。
- 家庭用のインクジェットプリンターやレーザープリンターでも作れますか?
- 昇華転写には、昇華インクを入れた昇華プリンターと昇華用の転写紙が必要です。普通のインクジェットプリンターではできません。レーザープリンターでマグカップや食器にプリントしたい場合は、当社のオーブンプリントシートという別の方法があります。
- マグカップ1個あたりの材料費はどのくらいですか?
- 動画撮影時は、全面イラストの標準的なサイズならA4の転写紙1枚でマグカップ3個分。転写紙とインク代で約60円なので、1個あたり約20円でした(当社純正インク使用)。マグカップ本体は撮影時1個400円、2026年10月時点の当社の昇華用マグカップ(11oz・白無地化粧箱付き)は1個440円(税込)です。
- 転写紙は「糊付き」と「糊なし」のどちらを使いますか?
- マグカップには糊なしを使います。当社の昇華用転写紙は、布用の糊付きタイプと、陶器のマグカップなどの硬いもの用の糊なしタイプがあります。
- メタリックマグカップは今も買えますか?
- 2026年10月時点で、当社のメタリックカラーマグカップはゴールドとシルバーが在庫終了で終売、メタリックピンクのみ在庫限りで販売しています(1個440円・税込)。最新の在庫は商品ページでご確認ください。
この記事のもとになった動画
【昇華転写】オリジナルマグカップの作り方を説明します 設備投資は10万円 業者様向けプリント講座(撮影は7月下旬。動画内の価格は撮影時のもの)
【昇華転写】オリジナルのメタリックマグカップの作り方 業者様向けプリント講座(色の展開・価格は動画公開当時のもの)
マグカップ作りに必要なものを確かめませんか
マグカッププレス機・昇華プリンター・昇華用マグカップの仕様や価格は、各商品ページでご確認いただけます。
東京・大阪・福井のショールームでは、実物を見ながらご相談いただけます(完全無料・要予約)。
※「設備投資10万円」「昇華プリンター73千円」「マグカッププレス機26千円」「マグカップ1個400円」「転写紙1枚約30円」は動画撮影時の価格です。2026年10月時点の価格・在庫は各商品ページの情報です。
メーカーの売り文句ではなく、現場で刷って、売って、サポートしてきた事実だけをお伝えします。


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