軍手に、1組から
フルカラープリント。
小型DTFで試した結果
軍手は生活や仕事に欠かせない物で、一過性の流行り物ではありません。市場はTシャツより小さいものの、プリントの世界ではまだ手つかずの部分が多く残っています。ネットで調べると、軍手プリントはシルクスクリーンで色数に制限があり、100組以上からという受け方が中心でした。
当社の小型DTFプリンター(A4機)なら、カラー軍手にも1組からフルカラーでプリントできます。前半では軍手プリントの業界の現状と、軍手がどんな場面で使われているかを、後半では白・グレー・黒・赤の軍手とゴム手袋への実際のプリントを、東京ショールームでの検証からまとめました。
- 軍手プリントはシルクで100組以上が中心。カラー軍手にフルカラーで小ロット対応しているところは少なく、小規模事業者が先に取り組みやすい分野
- 使われ方はノベルティ(販促)と実用の2つ。ボランティアのゴミ拾い、引越業者、調理場、建設・工事など現場の仕事、冬場のスポーツなど
- 白・グレー(ポリエステル50%綿45%)・黒・赤(ナイロン50%アクリル45%)の混紡軍手に、130℃・30秒、事前プレスなしでも転写できた。滑り止めのある面でも問題なし
- 伸ばしても割れは見られなかった。ただし転写直後は糊の定着が少し緩いので、1日ほど置いてから伸ばすほうが良い
- ゴム手袋は転写自体はできるが、熱で変形し、推奨は難しい。熱をかけて変形しないか、先に必ず試す
軍手プリント業界の現状
ネットで「軍手 プリント」と検索して、1時間ほど調べてみました。まず感じたのは、軍手プリントを受けている業者様は意外と多いということです。そのうえで、受け方には大きな傾向がありました。
| 製法 | 割合の印象 | 受け方 |
|---|---|---|
| シルクスクリーン | 8割超 | 色数に制限があり、100組以上から |
| カッティング・刺繍・インクジェット | 残りの1.5〜2割 | インクジェットでのカラー軍手への対応は見当たらなかった(見落としの可能性はあります) |
100組以下の小ロットに対応している商品もいくつかありますが、全体としては大ロットが優先で、小ロットの対応はまだ成熟していない印象です。小ロットの細かい対応は、本来、小規模事業者のほうが得意な分野です。ライバルがほとんどいない今のうちに力を入れれば、先に取り組んだ分の利益を確保でき、あとから参入する相手との競争も避けやすくなります。
大ロットのフルカラーは大型DTFがシェアを取っていて、ガーメントでのDTFは維持・生産コストに比べて生産性が高くありません。小ロット・多品種のフルカラーの特殊なプリントこそ、小型DTFが強いところです。

軍手はどんな場面で使われているか
プリントした軍手の使われ方は、大きく販促(ノベルティ)と実際の利用の2つです。
| 場面 | 使われ方 | 小ロットのニーズ |
|---|---|---|
| ノベルティ・販促 | 会社名を入れて、イベントの来場者などに配るPRツール | 大量に作ると配り切れず捨てることも。プレミア感を出したい、来場者の少ないイベントでも配りたい、という少量のニーズがある |
| ボランティアのゴミ拾い | 団体名・日付・イベント名を入れて参加者に配る。東京ショールームに近い大塚駅周辺では、10〜200人規模の活動が定期的に行われている | そろいの軍手で統一感を出せる |
| 引越業者 | 会社名入りの軍手 | 作業する人数分 |
| レストラン・パン工房などの調理場 | 熱いフライパンや天板を触るときに、店名入りの軍手を使う | お店のスタッフ分 |
| 現場の仕事 | 建設・工事・工場・整備など、作業服を着て働く方。軍手を使う場面が非常に多く、当社ではいちばんシェアが大きいとみている分野 | 会社ごと・現場ごと |
| 冬場のスポーツ | サッカーや野球などで、手が冷えてけがをしないよう手袋をつける | チーム・サークル単位 |
そろいのユニフォームと同じで、集団で同じ物を身につけると士気が上がり、パフォーマンスも上がると言われています。ウェアに比べて、軍手までそろえている団体は圧倒的に少ないので、そこにビジネスチャンスがあります。
フィルムを作る(印刷・パウダー・ベーキング)
使ったのは当社のWIP A4機(撮影当日の価格27万円・税別)です。軍手のプリントはイラストが小さいので、A4のデータにロゴをたくさん面付けして印刷しました。

| 工程 | 内容(動画撮影時) |
|---|---|
| 1. クリーニング | プリンタドライバからクリーニングを約3回。費用は約300円、時間は約10分。毎日ではなく、作業を始める前に行う |
| 2. 印刷 | 専用のキャリーシートにフィルムを合わせて印刷。CMYKの上に白インクを重ねる。今回のデータで約4分半 |
| 3. パウダー | パウダリングケースの中でパウダーをかける。インクの部分にだけパウダーがつく。ケースを使うと周りに飛び散らない |
| 4. ベーキング | ホットプレートにのせ、ふたを閉めて約2分。粉のパウダーが熱で溶けて固まり、衣類用のホットメルト(糊)になる |



1個あたり約3.4円
動画撮影時の資材代は、フィルムがA4で約120円、印刷代が約30円で、A4 1枚約150円。このフィルムからロゴが44個取れたので、150円÷44=約3.4円が1個あたりの印刷代です。面付けをするほど、1個の原価は下がります。

※2026年10月時点の製品ページでの目安は、A4 1枚あたり印刷フィルム132円+印刷代35円で約167円(税込)です。同じ44個なら1個約3.8円になります。
軍手にプレスする
最初に作った見本は、軍手の下にクッション(下敷き)を敷いて事前プレスし、軍手を少し平らにしてからフィルムをプレスしました。

では、下敷きも事前プレスもなしでできるのか。一般的な混紡の白い軍手で試しました(軍手の個体差はあります)。甲の真ん中にフィルムを置き、130℃・30秒でプレスして、完全に冷めてから剥がします。プレスすると軍手がしっかり挟まれた状態になるので、問題なく転写できました。この形の軍手なら、事前プレスなしでもプレスできると考えています。

混紡軍手3色の結果と伸縮性
続いて、素材の違う3色の軍手に、事前プレスなしでプリントしました。どれも綿100%ではなく、ポリエステルやナイロンの入った混紡と呼ばれる軍手です。ゴムではない編みの軍手なら、基本的にプリントできると考えて試しています。プレス機は作業台40×50cmの当社のプレス機です。

| 軍手 | 素材 | デザイン | 結果 |
|---|---|---|---|
| 白 | 一般的な混紡 | ロゴ | 事前プレスなしで転写できた |
| 黒(滑り止めあり) | ナイロン50%・アクリル45% | ロゴ | 転写できた。滑り止めの影響はほとんどなし |
| グレー | ポリエステル50%・綿45% | イラスト | 転写できた |
| 赤 | ナイロン50%・アクリル45% | 写真 | 転写できた。写真もフルカラーで出る |

伸ばしても割れない
軍手は手にはめると大きく伸びます。プリントした軍手を引っ張ってみても、割れている様子はありませんでした。WIPのプリントは伸縮性が強く、軍手に向いています。ただし、転写した直後は糊の定着が少し緩いので、1日ほど時間を置いてから伸ばすほうが良いです。

ゴム手袋は推奨しにくい
手のひら側がゴムの手袋4種類も試しました。ゴムは一般に、温度の変化で形が変わる素材です。まず、プリントせずに130℃・10秒だけ熱をかけてみると、少し膨らんだような変化があり、溶けてはいないものの熱を多く持ち、においもしました。
そのうえで、130℃・30秒で小さいロゴをプリントしました。すでにシルクでプリントされている手袋もあったので、2つはそのイラストの上に重ねています。

| 確かめたこと | 結果 |
|---|---|
| プリント自体 | 4種類とも転写はできた |
| 熱による変形 | プレスで少し変形。手袋によっては伸縮(縮み)が激しかった |
| 既存のプリントの上 | 下のイラストが少し透けて見える。あまりおすすめしない |
ゴム手袋へのプリントはできるけれど、当社として積極的には推奨できない、というのが結論です。使えないわけではないので、変形をどこまで許容するかは、プリントされる方の判断になります。ゴム手袋に限らず、初めての手袋は一度熱をかけて変形しないかを確かめてからプリントしてください。
向かないケース・注意点
小型DTFは、大量生産には向きません。軍手プリントでも、何百組・何千組の大口はシルクスクリーンや大型DTFの得意分野です。また、白インクを使うDTFプリンターは、作業前のクリーニングなどの手入れが必要です。
白トナーとの比較では、生産性は白トナーのほうが優れています。一方、軍手は毛羽立ちがあって編み目が粗いため、白トナーの抜ける転写紙(Type-W)では転写が難しい素材です。革や水着と同じく、こうした素材にフルカラーで1組から対応できるのが、小型DTFの強みです。製法ごとの違いは白トナープリンターとDTF、本当はどっち?で詳しく比べています。
動画の最後では、必要な分だけを作るオンデマンド生産が、余分な在庫や廃棄を減らすことにもつながる、という考えも紹介しています。たとえば本当は30〜40組で足りるのに100組を買い、残りを捨てる、ということが起きにくくなります。もちろん、大量の受注を否定するものではありません。
よくある質問
- 軍手にフルカラーでプリントできますか?
- できます。小型DTFで、白・グレー・黒・赤の軍手にロゴ、イラスト、写真をフルカラーで転写できました。カラー軍手にも白インクを使って1組からプリントできます。
- 軍手へのプレス条件は?
- 動画では130℃・30秒でプレスし、完全に冷めてから剥がしています。見本では下敷きを敷いて事前プレスしましたが、事前プレスなしでも転写できました。
- どんな素材の軍手にプリントできますか?
- ポリエステル50%・綿45%、ナイロン50%・アクリル45%などの混紡軍手にプリントできました。滑り止めのある黒い軍手でも問題ありませんでした。ゴムではない編みの軍手なら、基本的にプリントできると考えていますが、事前のテストをおすすめします。
- ゴム手袋にもプリントできますか?
- 転写自体はできましたが、熱で変形したり縮んだりするため、当社としては推奨が難しいです。試す場合は、先に熱をかけて変形しないかを確かめてください。
- 1個あたりの費用はいくらですか?
- 動画撮影時はA4 1枚の資材代が約150円で、ロゴが44個取れたので1個約3.4円でした。2026年10月時点の目安ではA4 1枚約167円(税込)です。機械は動画撮影時のWIP A4機が27万円(税別)、現在のA4機WIP754Rは270,000円(税別)です。
- プリントした軍手は伸ばしても大丈夫ですか?
- 引っ張っても割れは見られませんでした。ただ転写直後は糊の定着が少し緩いので、1日ほど時間を置いてから伸ばすほうが良いです。
この記事のもとになった動画
【新企画】DTFプリントでTシャツ以外の新商品にチャレンジ 軍手編 小規模事業者様向けプリント講座(約27分。機種・価格は動画公開当時のもの)
軍手へのプリント、まずはサンプルで
小型DTFの無料サンプルをお送りしています。東京・大阪・福井のショールームでは、
実機でのプリントもご覧いただけます(完全無料・要予約)。
※本記事の価格は2026年10月時点の情報です。動画内の機種・価格・資材代は動画公開当時のものです。現在販売しているA4機はWIP754R(270,000円・税別)です。
メーカーの売り文句ではなく、現場で刷って、売って、サポートしてきた事実だけをお伝えします。


抜ける転写紙
全面プリント転写紙
発泡シート
箔・ラバー・ラメ
トナー・ドラム
DTFインク・フィルム
プレス資材
昇華インク
Type-WLナイロン・薄い生地
Type-Cキャンバスバッグ
Type-Pペイスターで楽に















オーブンプリントマグカップ・食器に
Tattooシール肌に貼れるタトゥー






























