木材にフルカラー転写。
UVプリンター以外の
選択肢を実演
木材にフルカラーでプリントするなら、UVプリンターが定番です。ただ、新品だと100万円、200万円ほどの価格帯で、展示会でも「値段が高くて手が出せない」という声を聞いてきました。
そこで当社では、衣類用の白トナープリンタと抜ける転写紙Type-C、熱プレス機で、木材にどこまで転写できるかを試しました。定番のType-Wとの違い、木材に転写するときの温度・時間・マット、うまくいかなかった木材まで、東京ショールームでの実演の結果をまとめます。
- 白トナープリンタ+抜ける転写紙Type-C+プレス機があれば、木材にも白を含むフルカラーで転写できる(当社の実演)
- ポイントは布地より温度を下げること。110℃・15秒、ヒートバリアマットを上に敷き、圧力は適当。完全に冷めてから剥がす
- 定番のType-Wでも転写はできるが、濃い色の木材ではマークの外側にうっすら膜が見える。Type-Cでは目立たなかった
- 撥水などのコーティングがされた木材(実際に使っているお盆の裏)は転写できなかった。素材との相性は必ずテストを
- インクジェット用の木材用パウダープリントは薄い色の木材向き。濃い木材や細い線は、白トナー+Type-Cの得意分野
なぜ木材に「転写」なのか
木材や雑貨へのフルカラープリントでは、UVプリンターを使うのが一般的です。ただし導入費のハードルがあり、新品なら100万円、200万円ほどというのが当社の印象です。展示会でご案内していても、値段の高さから手が出せないという方がいらっしゃいました。
一方、白トナープリンタは本来、Tシャツやトートバッグなどの衣類・布製品にプリントするための機械です。ところが当社で実験を重ねるうちに、レーザープリンタ+プレス機で、ある程度の非衣類にも転写できることが分かってきました。その中でも、木材にいちばん転写しやすかったのが抜ける転写紙Type-Cです。

※動画内のテロップでは「木材への白トナー転写はプリント業者さんから以前から実績と評価があり、その中でもType-Cは抜群に転写しやすい」と紹介しています。
抜ける転写紙Type-Cのしくみ
抜ける転写紙は、印刷した部分にだけ糊が付くレーザープリンタ用の転写紙です。作り方は次のとおりで、カッティングやカス取りはいりません。
- 専用の転写紙(MPシート)に、白トナープリンタでデザインを印刷する
- 専用の糊シート(プラスターシート)と合わせて、プレス機でプレスする(動画では130℃・20秒ほどと説明)
- 熱いうちに剥がすと、印刷したところだけに糊が付いた「マーク」ができる
- マークを生地や木材に当てて、もう一度プレスして転写する

Type-Cは、もともとキャンバス生地のトートバッグなど、厚くて硬い生地向けの転写紙です。糊が生地の奥に染み込むのではなく、表面にシールのようなイメージで定着するため、硬い素材にも付きやすいのが特徴です。当社の商品ページでも「素材との相性によっては、木材や革にもプリント可能」としています。
| Type-C(2026年10月時点) | 価格(税込) |
|---|---|
| A4 お試し5枚セット | 2,475円 |
| A4 100枚セット | 37,950円 |
| A3 お試し5枚セット | 4,950円 |
| A3 100枚セット | 77,000円 |
※Type-Cはトナー濃度80%以上の色ならそのまま使えます。白や淡い色を出すには、白トナー搭載プリンタとRIPソフト(PrinterStation)が必要です。白トナープリンタWTRIP835は390,000円(税別、2026年10月時点)。糊付けの温度・時間は、現在は商品付属の説明書に従ってください。
定番のType-Wで木材に転写すると
比べるために、まず抜ける転写紙シリーズの定番Type-Wで、濃い色の木片に転写しました。条件は布地と同じ130℃・20秒です。
デザイン自体は細かいところまで転写できましたが、出来上がったマークの外側に、うっすら膜が見えてしまいました。余白の部分に白い糊が少し付いている状態です。布地であれば、この膜は生地の奥に染み込んで目立たなくなりますが、木材では表面に残ります。

動画のテロップでは「木材の色が薄いと皮膜は目立たなくはなります」とも紹介しています。濃い木材にきれいに転写したいときは、次の章のType-Cと条件の組み合わせが向いています。
木材に転写する条件(110℃・15秒・ヒートバリアマット)
Type-Cで作ったマークを木材に当てて転写します。布地のときとの違いは、温度を下げて、上にヒートバリアマットを敷くことです。
| 項目 | 布地(トートバッグなど) | 木材(動画の条件) |
|---|---|---|
| 温度 | 130℃ほど | 110℃ |
| 時間 | 20秒ほど | 15秒(15〜20秒) |
| 上に敷くもの | — | ヒートバリアマット(黒い耐熱マット) |
| 圧力 | — | 適当(強くしすぎない) |
| 剥がし方 | 冷めてから剥がす | 冷めてから剥がす |

プレス機で押さえられない形なら家庭用アイロン
プレス機に入らない、平らに押さえられないといった面には、家庭用アイロンで転写する方法もあります。家庭用アイロンの低温はだいたい110℃前後なので、あとの工程は同じです。この転写紙は木材に転写するときにあまり圧力がいらないため、家庭用アイロンでも十分できると当社では考えています。

※家庭用アイロンが使えるのは、マークを木材に転写する工程です。その前の糊付け(マーク作り)にはプレス機が必要です(家庭用アイロンでは不可)。
木材ごとの仕上がり
110℃・15秒・ヒートバリアマットの条件で、Type-Cを使って色や仕上げの違う木材に転写しました。結果は次のとおりです。
| 木材 | 転写紙・条件 | 結果 |
|---|---|---|
| 濃い色の木片(小さな柄) | Type-W・130℃・20秒 | 転写はできたが、マークの外側に膜が見える |
| 同じ濃い色の木片(小さな柄) | Type-C・110℃・15秒・マット | 膜は見えず、余白の汚れもほとんどない |
| 濃い色の木片(芸者のイラスト) | Type-C・同上 | 細かい柄までフルカラーで転写。マスキング不足で少しはみ出した |
| 額縁付きの濃い色の板(白い文字) | Type-C・同上 | 白もしっかり出た。若干の糊残りあり(仕上げプレス後にウェットティッシュで拭いて除去できる) |
| 薄い色の合板(侍のイラスト) | Type-C・同上 | 細い線まできれいに転写 |
| 実際に使っているお盆の裏(コーティングあり) | Type-C・同上 | 転写できなかった |



インクジェット・UVプリンターとの違い
木材へのプリントには、インクジェットプリンタで作る木材用パウダープリントという方法もあります。個人の方でもできる方法で、薄い色の木材なら結構きれいに仕上がります。

ただし、濃い色の木材になると、インクジェットのパウダープリントでは下地の色の影響を受けてしまいます。また、侍のイラストのような細かい線を表現するのは難しい、というのが当社の実感です。白トナー+Type-Cなら、白もしっかり出て、レーザープリンタならではの細い線まで転写できます。
| 項目 | 白トナー+Type-C | インクジェット+木材用パウダープリント | UVプリンター |
|---|---|---|---|
| 設備 | 白トナープリンタ+プレス機(マーク作りに必要) | インクジェットプリンタ(個人でも可) | 新品で100万〜200万円ほど(当社の印象) |
| 濃い色の木材 | 白トナーで白も出せる | 下地の色の影響を受ける | 白インクが必須など制限もある |
| 細い線 | 細い線まで表現できる | 細かい線は難しい | — |
| 作業 | マークを当てて1点ずつプレス | シートを当てて仕上げる | — |
| 同じ設備でできること | Tシャツ・トートバッグなど衣類・布製品へのプリント | — | — |

※UVプリンターについては、動画内で話した当社の印象とテロップの内容のみを載せています。機種によって価格や仕様は異なります。表の「—」は動画で比べていない項目です。
向かないケースと注意点
木材ならどれでも転写できるわけではありません。動画で分かった注意点と、Type-Cの商品ページに書いている注意点をまとめます。

UVプリンターのようにデータを送ってそのまま印刷する方法とは違い、転写はマークを作って、1点ずつ当ててプレスする手作業です。その代わり、白トナープリンタとプレス機という、衣類のプリントと同じ設備で始められます。本番の木材と同じ材料で、まずはお試しの5枚セットからテストしてみてください。
※当社は白トナープリンタと抜ける転写紙のメーカーなので、白トナー寄りの視点になることをご了承ください。
よくある質問
- 木材に白トナーで転写するには何が必要ですか?
- 白トナープリンタ(白トナーとRIPソフト)、抜ける転写紙Type-C、熱プレス機の3つです。Type-Cはトナー濃度80%以上の色ならそのまま使えますが、白や淡い色を出すには白トナー搭載プリンタとRIPソフト(PrinterStation)が必要です。2026年10月時点で、白トナープリンタWTRIP835は390,000円(税別)、Type-CはA4 100枚セット37,950円(税込)です。
- 木材に転写するときの温度と時間は?
- 動画撮影時(2020年)の実演では、布地のときの130℃前後から温度を下げて110℃、時間は15秒、上に黒いヒートバリアマットを敷き、圧力は強くしすぎずにプレスしました。完全に冷めてから転写紙を剥がします。
- 定番の抜ける転写紙Type-Wでも木材に転写できますか?
- 転写はできますが、濃い色の木材ではマークの外側にうっすら膜が見えました。布地なら奥に染み込んで目立たなくなりますが、木材では残ります。木材の色が薄いと目立ちにくくなります。同じ木材でType-Cを使い、110℃・15秒・ヒートバリアマットで転写すると、膜は目立ちませんでした。
- どんな木材でも転写できますか?
- できない木材もあります。動画では、実際の生活用品として使われているお盆の裏に転写しましたが、まったく付きませんでした。撥水などのコーティングがされた木材は難しいため、必ず同じ材料でテストしてください。
- プレス機がなくても木材に転写できますか?
- プレス機で押さえられない形のものは、家庭用アイロンで転写する方法も動画で紹介しています(家庭用アイロンの低温は110℃前後が目安ですが、個体差があります)。ただし、その前のマーク作り(糊付け)にはプレス機が必要です。家庭用アイロンでは糊付けできません。
- UVプリンターとの違いは何ですか?
- UVプリンターは新品で100万〜200万円ほどと、導入費のハードルがあります(動画内での当社の印象)。また、濃い色の木材には白インクが必須などの制限もあります。白トナー+Type-Cは、白トナープリンタとプレス機があれば転写でき、衣類やバッグへのプリントにも同じ設備を使えます。一方で、1点ずつ転写紙を当ててプレスする手作業になります。
この記事のもとになった動画
【UV以外の選択肢】木材にフルカラー転写する方法を説明します 凄いぜ!抜ける転写紙Type-C 業者様向け白トナー転写講座(2020年11月公開。転写の条件・仕様は当時のもの)
木材・雑貨へのプリント、まずは5枚から
抜ける転写紙Type-Cは、A4お試し5枚セット(2,475円・税込)からお試しいただけます。
白トナーの無償サンプル、東京・大阪・福井でのデモ体験も受け付けています。
※本記事の価格は2026年10月時点の情報です。転写の条件は動画公開時(2020年11月)の実演のものです。
メーカーの売り文句ではなく、現場で刷って、売って、サポートしてきた事実だけをお伝えします。


抜ける転写紙
全面プリント転写紙
発泡シート
箔・ラバー・ラメ
トナー・ドラム
DTFインク・フィルム
プレス資材
昇華インク
Type-WLナイロン・薄い生地
Type-Cキャンバスバッグ
Type-Pペイスターで楽に















オーブンプリントマグカップ・食器に
Tattooシール肌に貼れるタトゥー






























