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QUICK ART PRINT ACADEMY / DESIGN TOOL

白プリントの「余分」と「抜け」を、
印刷前に直す。
カスデータ判定ツールと抜け検出ツール

白トナーでプリントしてみたら、透明にしたはずの所に白がうっすら出た。逆に、写真の明るい部分だけ白が乗らずに生地の色が透けた。白トナープリントをしていると、どちらも一度は経験するトラブルです。

この2つを印刷前に見つけて直すために当社が作ったのが、余分な白を「消す」カスデータ判定ツールと、足りない白を「塗る」抜け検出ツールです。2026年8月公開の動画で、当社オリジナルのデザインツールの新開発④として紹介しました。この記事では、動画の実演と実際に印刷した結果に沿って、2つのツールの使い方をまとめます。

1.0%WTRIP835の標準のしきい値。CMYKの合計がこれ未満の薄い色を「カス」として拾う
10%カスデータ判定ツールのしきい値の上限(0.1〜10%で調整)
3%抜け検出ツールで抜けを塗るイエローの初期値(1〜10%。動画では2%で実演)
3形式PNG・JPEG・EPS(CMYK)で修正後のデータを書き出せる
先に結論
  • 白トナーはデータに色がある所にだけ白を乗せる。だから「ごく薄い色が残った所」には余計な白が出て、「色が0%の所」には白が出ない
  • カスデータ判定ツール:しきい値未満の極薄の色(カス)を色付けして見せ、一括・範囲指定・ブラシで消せる
  • 抜け検出ツール:CMYKが0%で白が乗らない部分を見つけ、イエロー数%(見た目はほぼ白)で塗りつぶす
  • 動画では2つのデータを白トナーで実際に印刷し、カスの白はほぼ消え、写真の明るい部分も抜けずに白が出た
  • 色の判定は簡易換算。最終確認は実際のプリントで。印刷用の書き出しはCMYKのEPSがツールのおすすめ
01 / WHY

白トナーで「余分な白」と「抜け」が出る仕組み

白トナープリンタは、白トナーを使って濃い色の生地にもフルカラーで刷れるプリンタです。このとき白トナーが乗るのは、データに色(CMYK)がある所だけです。この性質から、2つのトラブルが起きます。

カスデータ(余分な白)抜け(足りない白)
データの状態白や透明に見えるのに、ごくわずかに色が残っている白く見えるが、CMYKがすべて0%
印刷すると余計な所に白がうっすら乗り、白いゴーストのように出るその部分に白が乗らず、生地の色が出る(抜ける転写紙では転写されない)
起きやすいデータ背景を消した写真の境目、髪の毛のまわり、グラデーションの端写真の光が強い部分、空などの明るい部分
直し方カスの部分を完全な白(0%)か透明にする=消すその部分に薄い色を置く=塗る

動画のテロップでも「背景をきれいにトリミングしても、髪の毛のまわりなど被写体と背景の境目は、どうしてもカスデータが出てしまう」と説明しています。また動画では、白トナープリンタだけでなく、小型DTFや当社以外の出力機器を使っている方も、同じように「少しのデータに白が乗る」「データがないので白が乗らない」ことで困る場面があると話しています。

カスデータ判定ツールで、背景を消した人物の髪の毛の輪郭に沿ってカスがピンクで表示された画面
背景を消した写真でも、髪の毛のまわりなど被写体と背景の境目にカスが残ります(ピンクの線)。

※白トナー用データの基本(CMYKの合計1%以上の所に白が乗る、など)は白トナープリントのデータ編集は「2つ」だけでも解説しています。

02 / TOOLS

2つのツールの位置づけと提供状況

どちらも当社のデザインツールのひとつで、Google Chromeなどのブラウザで開いて使う無料のツールです。動画では「無料で誰でも使えるようにした」と案内しています。2026年10月時点では、デザインツールのページに「カスデータ判定」「抜け検出」として並んでいます。

クイックアートのデザインツール一覧のページ。背景除去ツールの下にカスデータ判定ツールが並んでいる
動画撮影時のデザインツール一覧。背景除去ツールの下にカスデータ判定ツールがあります。
ツール(2026年10月時点の名前)役割動画での呼び方
カスデータ判定ツール余分な白(カス)を見つけて消すカスデータ判定ツール
抜け検出ツール白の抜けを見つけて塗る抜け検出ツール/抜けの抽出判定ツール

ツールページの説明では、どちらも解析・修正・書き出しはお使いのブラウザの中で完結し、ファイルがサーバーに送られることはありません。PDF・EPS・AIを読み込む部品はネット経由で取得するため、インターネット接続は必要です。大きなデータを扱うので、画面の広いパソコンでの利用がすすめられています。

動画では、以前紹介した背景除去ツールと似た部分はあるものの、こちらは「カスがないか」「抜けがないか」に特化させたツールだと説明しています。

03 / CAS DATA

カスデータ判定ツール:カスを見つける

動画では、背景を消した女性の写真を読み込んで実演しています。読み込むと、カスと判定された部分がピンク色で表示されます。

カスデータ判定ツールに背景を消した女性の写真を読み込み、手元などカスと判定された部分がピンクで表示された画面
しきい値1%で読み込んだところ。ピンクの部分が、印刷すると余計な白が出てしまう「カス」です。

しきい値の意味

いちばん大事な設定が「白トナー判定しきい値」です。CMYKの合計(C+M+Y+K)がこの値未満の薄い色を、カスとして拾います。初期値は1.0%で、ツールページではWTRIP835の標準を1.0%としています。

動画でしきい値を4.6%に上げると、ピンクの範囲が少し広がりました。テロップでは「CMYKのカラー%の合計が4.6%以下のデータがピンクに(4.6%は画像のように、ほとんど白)」と説明しています。しきい値は最大10%まで上げられますが、10%にすると歯の部分のように残したい薄い色まで拾い始めたため、動画では4.5%前後に戻しています。

しきい値を4.6%に上げ、ピンクで表示される範囲が広がったカスデータ判定ツールの画面
しきい値を4.6%に上げたところ。上げるほど、より濃い色までカスとして拾います。

カスの見え方を変える

「カスの見え方」で表示を切り替えると、カスだけを浮かび上がらせて表示できます。動画では、検出結果が合計10か所と表示されました。どこにカスがあるかを印刷する前に判断できるのが、このツールの特長です。

カスだけ表示に切り替え、人物の輪郭線と手元のカスがピンクで浮かび上がった画面
「カスだけ表示」に切り替えたところ。人物の輪郭に沿ってカスが残っているのがわかります。

※2026年10月時点のツール画面では、表示モードは「カスを強調(周囲を暗く)」「元画像に重ねる」「カスだけ表示」「判定マスク(3色)」「非表示(元画像)」の5つ。カスの表示色の変更、細いカスを太らせて表示、点滅表示、検出箇所を1件ずつたどるナビもあります。

04 / ERASE

カスを消す(一括・範囲・ブラシ)と書き出し

カスの場所がわかったら、そのままツールの中で消せます。消し方は3つあります。

① 検出したカスを全部消す

「検出したカスを全部消す」を押すと、ピンクの部分が一度にすべて消えました。動画では「基本的にはこれでOK」と話しています。消すのはカスと判定されたピクセルだけで、しきい値以上の絵柄には触れません。間違えたときは「元に戻す」で戻せます。

検出したカスを全部消すを実行し、ピンクの表示がなくなったカスデータ判定ツールの画面
一括で消したあと。ピンクの部分がなくなりました。問題がなければ、あとは書き出すだけです。

② 選択範囲の中だけ消す

一部のカスだけ消したいときは、操作モードを「範囲選択」にして範囲を囲み、「選択範囲内」のボタンで消します。動画では一度ボタンを押し間違えて、範囲外も消えてしまいました。そのときは慌てず「元に戻す」を押してから、正しいボタンでやり直しています。

範囲選択で左上を囲み、選択範囲内のカスだけを消そうとしているカスデータ判定ツールの画面
範囲を囲んで「選択範囲内」で消すと、囲んだ部分のカスだけが消え、ほかは残ります。

③ ブラシで少しずつ消す

「ブラシ」でなぞると、その部分のカスが少しずつ消えます。消しゴムのような使い方です。小さい・細かい部分は、表示を拡大してから作業できます。

ブラシモードで手元のカスを消しながら、保存形式の選択欄を開いたカスデータ判定ツールの画面
ブラシで指先のカスを消しているところ。右の欄で保存形式(PNG・JPEG・EPS)を選びます。

読み込みと書き出し

動画では「EPSなども含めて、ほとんどのファイルが入る」と紹介しています。2026年10月時点のツール画面では、PDF・PNG・JPEG・WEBP・BMP・GIF・EPS・AIに対応しています。書き出しはPNG(透過維持)・JPEG(白背景)・EPS(CMYK・印刷用)の3種類です。消し方は「白にする(CMYK 0%)」と「透明にする」から選べます。

ツール画面では、印刷用にはCMYKのEPSをすすめています。消した箇所をC0 M0 Y0 K0に数値で確定できるためです。PNG・JPEGはRGBのデータなので、RIPソフトで色分解し直すときに微量の色が乗ることがある、と説明されています。カスの箇所を焼き込んだ確認用の画像(PNG)や検査レポート(CSV)も保存でき、お客様への説明資料に使えます。

PhotoshopやAffinityとの違い:動画のテロップでは「画像のカスデータを消す方法はPhotoshopやAffinityで対応するのが一般的だが、今回のような無料Webツールでも十分対応できる」「一発でカスを消すのはPhotoshopでは難しい機能で、このWebツールのほうが特化していて時短で利用しやすいはず」と説明しています。

※2026年10月時点のカスデータ判定ツールのページの説明文には「ファイル書き出し機能はありません」との記載がありますが、同じページから開くツール本体の画面には、動画と同じ「カスデータを消す」「保存・書き出し」の機能があります(2026年10月29日に確認)。

05 / VOID

抜け検出ツール:白の抜けをY%で塗る

2つ目は、白が乗ってほしい所に乗らない「抜け」を直すツールです。パスで作ったロゴなどは色を簡単に変えられますが、写真にはさまざまな色が混ざっていて、光が強い部分はCMYKがすべて0%になっていることがあります。

動画では、3人の女性が写った写真で実演しています。読み込むと、右上の空の部分がピンクで表示されました。テロップでは「このまま印刷するとピンクの部分が何も印刷されない=対処が必要」と説明しています。写真や四角い画像で、四角の中は全部白を乗せてほしいというときに役立つツールです。

抜け検出ツールに3人の女性の写真を読み込み、右上の空の部分が抜けとしてピンクで表示された画面
右上の空の明るい部分がピンク=抜け。このまま白トナーで刷ると、ここだけ白が乗りません。

イエロー数%で塗りつぶす

直し方は単純で、イエローの濃度を決めて塗りつぶすボタンを押すだけです。動画ではイエロー2%で塗りつぶし、ピンクの部分がすべて消えました。テロップでは「ピンクの部分がすべてY2%に塗られた=白トナープリントなどで白として表現される」と説明しています。

イエロー2%で塗りつぶし、抜けを示すピンクの表示がなくなった抜け検出ツールの画面
Y2%で塗りつぶしたあと。抜けがなくなり、写真全体に白が乗るデータになりました。

なぜイエローなのかについて、ツールページでは「イエローは白い生地上で目立ちにくく、3%程度であれば見た目への影響を抑えながら白トナーを乗せられるため」と説明しています。塗りつぶしは全体だけでなく、範囲を囲んでその中だけ塗ることもできます。デザインとして生地の色を見せたい部分は、範囲指定で塗らずに残せます。

項目動画撮影時(2026年8月)の実演2026年10月時点のツール
抜けと判定する基準CMYK合計しきい値1.1%で実演しきい値0〜5%(初期値1.0%)
塗りつぶすイエローY2%で実演1〜10%(初期値3%)。C・M・Kは0のまま
書き出しPNG・JPEG・EPSPNG(透過維持)・JPEG(白背景)・EPS(CMYK・印刷用)、出力解像度も選べる
読み込みPNG・JPEG・PDF・EPS・AI(画面の表示)PNG・JPEG・PDF・EPS・AI(CMYKのJPEG・TIFFは非対応)

※透明な部分は抜けとして数えません。不透明で色がない部分だけが対象です(ツールページより)。迷った場合はイエロー3%のままでよい、とツールページでは案内しています。

06 / PRINT

白トナーで印刷した結果

動画では、2つのツールで直したデータを白トナープリンタ専用のRIPソフトに取り込み、色の付いた紙に印刷して確かめています。テロップの言葉で言えば「消したい白が消えているのか?表現したい白が表現されているのか?」の確認です。

カスを消したデータ

拡大して見ると、消し忘れた程度のごくわずかな部分に白が出ていましたが、輪郭まわりの細かいカスの白は消えていました。全体で見ても、きれいにカス取りができた印象です。動画では「見ながら一発で消したい人には、カスデータ判定ツールは非常にいい」と話しています。

カスを消したデータを色の付いた紙に白トナーで印刷した結果。人物のまわりに余計な白が出ていない
カスを消したデータの印刷結果。人物のまわりに白いゴーストは出ていません。

抜けを塗ったデータ

データ上は何も乗っていなかった光の強い部分にも白が出て、紙の色が透けている所はほとんどありませんでした。テロップでは「写真の中のすべてが白を含めたフルカラーで印刷されていて『抜け』がありません」と説明しています。

抜けをY2%で塗ったデータを白トナーで印刷した結果。空や白い服の部分まで白が乗っている
抜けを塗ったデータの印刷結果。空や白い服の明るい部分まで白が乗り、四角い写真の中に抜けがありません。

※動画の印刷は紙への試し刷りで、生地への転写は行っていません。

07 / FAIR

使うときの注意点

どちらも便利なツールですが、万能ではありません。ツールページと動画で分かっている注意点をまとめます。

判定は「目安」:色の判定は簡易(ラフ)変換で、ICCプロファイルを使うIllustratorやAcrobatの色とは多少ずれます。しきい値ぎりぎりの淡い色は判定がずれることもあります。最終判断は実際のプリントで行ってください。重要な箇所は、元のソフトでCMYKの数値も確かめると安心です。
しきい値を上げすぎない:しきい値を上げるほど多くのカスを拾いますが、残したい薄い色まで消してしまうことがあります。動画でも10%で歯の部分が拾われたため、4.5%前後に戻しています。まずは初期値の1.0%で試すのが基本です。
塗りつぶすと白が増える:抜けを塗ると、そこにも白トナーが乗ります。生地の色を見せたい「白抜き」のデザインまで塗ってしまわないよう、意図的に残したい抜けは範囲指定で避けてください。

データ側で根本から直したい場合は、元データを完全な白(CMYK 0%)か透明にするのが基本です。背景を消す作業そのものは背景除去ツール、データ編集の基本は白トナープリントのデータ編集は「2つ」だけで解説しています。

08 / FAQ

よくある質問

カスデータ判定ツールと抜け検出ツールは無料ですか?
はい。動画では「無料で誰でも使えるようにした」と案内しています。2026年10月時点では、デザインツールのページの「カスデータ判定」「抜け検出」から開けます。インストールは不要で、ブラウザで動きます。
「カスデータ」と「抜け」は何が違いますか?
カスデータは「色を置きたくないのに微量の色が残っている」部分で、印刷すると余計な白が出ます。抜けは「色を置きたいのに色がない(CMYK 0%)」部分で、白が乗りません。カスは「消す」、抜けは「塗る」で直します。
しきい値はいくつにすればいいですか?
初期値の1.0%が基本で、ツールページではWTRIP835の標準を1.0%としています。上げるほど濃い色までカスとして拾うため、残したい薄い色まで消えないよう、画面で確かめながら調整してください。
なぜ抜けをイエローで塗るのですか?
イエローは白い生地上で目立ちにくく、3%程度なら見た目への影響を抑えながら白トナーを乗せられるためです(ツールページより)。C・M・Kは0のまま、Yだけを指定濃度にします。動画では2%、2026年10月時点の初期値は3%です。
書き出しはどの形式がいいですか?
PNG・JPEG・EPSから選べます。印刷用には、消した部分や塗った部分を数値で確定できるCMYKのEPSがツールでのおすすめです。
読み込んだデータはサーバーに送られますか?
いいえ。ツールページの説明では、解析・修正・書き出しはすべてブラウザ内で完結し、ファイルは送信されません。PDF・EPS・AIを読み込む部品を取得するため、インターネット接続は必要です。
VIDEO

この記事のもとになった動画

【新開発④】画像データの白プリント箇所を瞬時に抽出して「消す」「塗る」を実行できるクイックアートオリジナルデザインソフトの紹介(2026年8月6日公開)

印刷前に、白の「余分」と「抜け」をチェック

どちらのツールも、ツールページからブラウザですぐに使えます。
白トナーでの仕上がりは、無料サンプルや東京・大阪・福井のデモでご確認いただけます。

カスデータ判定ツールのページへ 抜け検出ツールのページへ デザインツールの一覧を見る 白トナープリンタWTRIP835を見る 白トナーの無料サンプルを申し込む デモ・見学を予約する

※ツールの名前・機能・初期値・提供状況は2026年10月時点のツールページとツール画面の内容です。動画は2026年8月公開で、今後も変更されることがあります。

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