プリント機器を買う前に知っておきたい
メーカーと販売店の
役割の違い
プリンターやプレス機を買うとき、多くの方は機械の性能と価格を比べます。でも、もう一つ確かめておきたいことがあります。それは「買った後、トラブルが起きたらどこが対応してくれるのか」です。
プリント業界には、機械を作るメーカーと、それを仕入れて売る販売店があり、メーカーによって「販売店に任せる」「メーカーも対応する」が違います。この記事では、当社の動画でお話しした業界の仕組みと、購入者の目線で確かめておきたい点を整理します。プリント機器導入のよくある失敗5つの「買う先を確かめない」失敗を、もう一歩掘り下げた内容です。
- メーカーは機械やソフトを作る会社、販売店はそれを仕入れて売る会社。プリント業界には、自社商品も他社商品も売るメーカー兼販売店も多い
- 同じ販売店から買っても、メーカーによって「メーカーも販売店も対応」の機械と、「販売店だけが対応」の機械がある
- 販売店だけが窓口の機械では、販売店(担当者)にその機器の知識がないと最悪。購入者が八方塞がりになりかねない
- 買う前に、トラブルの窓口はどこか、メーカーは対応してくれるのかを確かめる。どちらが良い・悪いではなく、知った上で選ぶことが大事
- 買う機械を決めたら、扱っている販売店をいくつか調べ直すのも手。ただし、価格だけで決めるとハマることがある
きっかけは「販売店が主催する展示会」
この話をしようと思ったきっかけは、2023年9月13日・14日に当社が出展した展示会です。主催は主に販売を行う会社(販売店)で、出展していたのは当社のようなプリント機器メーカーやプリンターメーカーがほとんどでした。
この展示会では、メーカーが来場者に簡単に商品を紹介し、契約に向けた営業は主催の販売店が後から行う、という流れになっていました。つまり、商品を作るのはメーカー、売るのは販売店という分担です。

こうした商流(商品が作られてから購入者に届くまでの流れ)は、プリント業界でも珍しくありません。そして、この仕組みを知っているかどうかで、購入者が買う前に確かめるべき点が変わってきます。
メーカーと販売店、そして「メーカー兼販売店」
改めて言葉を整理します。
| 種類 | していること |
|---|---|
| メーカー | 名前のとおり、ハード(機械)やソフトを作っている会社 |
| 販売店 | メーカーの商品を仕入れて売る会社。海外の商品を輸入して売る輸入販売店もある |
| メーカー兼販売店 | 自社のオリジナル商品を開発して売りながら、他のメーカーの商品も売る会社 |

プリント業界では、販売店がオリジナルブランドを開発していることも多く、メーカーと販売店の両方の特徴を持つ会社がたくさんあります。2023年9月27日・28日に東京で開かれた業界の展示会の出展社を当社が強引に分けてみると、メーカー14社、販売店12社でした。きれいに2つに分けられない会社も多い、ということです。
購入者が確かめたい2つのこと
プリント機器を買う側として考えたいのは、次の2つです。

- 買う会社はどのような位置づけの会社か(メーカーか、仕入れ販売店か、輸入販売店か、メーカー兼販売店か)
- その会社は買った機器に対応できるのか(トラブルのとき、どこまで面倒を見てくれるのか)
機械の性能や価格は、カタログや見積書を見れば比べられます。でも、この2つは自分から聞かないと分からないことがほとんどです。
DTFプリンターで考える、トラブル窓口の2パターン
動画では、DTFプリンターを例に説明しました。メーカーA社とメーカーB社のDTFプリンターがあり、その2機種を販売店のC社が売っているとします。購入者は、どちらもC社から買います。

パターン1:メーカーも販売店も対応してくれる
A社のDTFプリンターでトラブルが起きた場合は、販売店のC社も、メーカーのA社も窓口として対応してくれます。

パターン2:販売店だけが対応する
B社のDTFプリンターでトラブルが起きた場合は、メーカーのB社は購入者に対応せず、販売店のC社だけが窓口になります。

| メーカーの窓口 | 販売店の窓口 | 購入者から見ると | |
|---|---|---|---|
| パターン1(A社の機械) | ○ | ○ | 相談先が2つある |
| パターン2(B社の機械) | × | ○ | 相談先は販売店だけ。販売店の力がすべて |
どちらのパターンになるかは、メーカーの方針で決まります。販売店に任せるか、メーカーとしても対応するかは、メーカーによって違うのです。同じ販売店で買ったからといって、どの機械も同じように対応してもらえるとは限りません。
「販売店だけが窓口」のときに大事なこと
パターン1でも販売店の対応は大切ですが、特に大事なのはパターン2です。窓口が販売店しかないのに、その販売店がプリンターのトラブルにきちんと対応できなければ、導入した方は本当に困ってしまいます。

プリント機器を扱っているのに、プリント業界のことをよく分かっていない。そんなところから買うと、トラブルのときに相談先がなくなり、八方塞がりになりかねません。当社の考えですが、メーカーが対応しない機械を買うなら、その機器をきちんと分かっていて、実績のある販売店から買うのが筋だと思います。
販売店の情報は、自分で集める
もう一つ知っておきたいのが、販売子会社を持たない大手プリンターメーカーの場合です。こうしたメーカーも、商流の上で特定の販売店を紹介することは基本的にしません。どの販売店から買うかは、購入者が自分で情報を集めて決めることになります。

価格だけで決めない
「この機器を買う」と決めたら、その機器を扱っている販売店がどれだけあるか、調べ直してみるのもよい方法です。ただし、それを価格だけで決めるとハマる場合があります。安く買えても、トラブルのときに頼れなければ意味がありません。

買う前のチェックリスト
動画でお話しした内容を、見積もりや商談のときに聞ける質問の形にまとめました。プリント機器は決して安い買い物ではありません。買ってから慌てないために、契約の前に確かめてください。

| 確かめること | 聞き方の例 |
|---|---|
| ① 会社の位置づけ | 「御社はこの機械のメーカーですか?仕入れ販売店ですか?輸入販売店ですか?」 |
| ② トラブルの窓口 | 「故障やトラブルのとき、問い合わせ先はどこになりますか?」 |
| ③ メーカーの対応 | 「メーカーは購入者からの問い合わせに対応していますか?それとも販売店だけですか?」 |
| ④ 販売店の知識と実績 | (販売店だけが窓口の場合)「この機械の販売や対応の実績はどのくらいありますか?」 |
| ⑤ ほかの販売店 | 同じ機械を扱う販売店がほかにあるかを調べる。価格だけでなく、①〜④も比べる |
業界の展示会に出ているプリント関係の会社は、当社が見たところ約30社ほどで、毎年大きくは変わりません。プリント業を長くされている方なら、それぞれの会社が「メーカーか、仕入れ販売店か、輸入販売店か」を一度把握しておくと、この先の機器選びでずっと役に立ちます。
導入後の質問先や担当者の体制など、ほかに確かめたい点は導入のよくある失敗5つのチェックリストに、DTFプリンターならではの注意点はそのDTFプリンター、ちょっと待ったにまとめています。
当社の位置づけ
当社(クイックアート)は、扱っている商品のほとんどが自社開発のオリジナル商品で、それを自社で販売しています。つまり、メーカーであり販売店です。

個人向け・業務用の販売に加えて卸販売もしていますが、作ったものを自分たちで売っているので、お客様への対応も基本的にメーカーとして行っています。

導入後のフォローの具体的な中身は、導入後のフォローとサポート体制の記事で紹介しています。
この記事を読むときの注意点
メーカーが販売店に対応を任せるか、メーカーとしても対応するかは、メーカーごとの方針の違いで、どちらが良い・悪いというものではありません。販売店だけが窓口でも、その販売店がその機器に詳しく、実績があれば心強い相談先になります。大事なのは、購入者がその違いを知った上で、どう動くかです。
この記事は、メーカー兼販売店である当社の立場からお話ししたものです。特定の会社や機種を評価するものではなく、例に出したA社・B社・C社も説明のための架空の会社です。実際の対応範囲は会社や機種、契約内容によって違うので、気になる機器があれば、買う前にその販売店とメーカーに直接確認してください。
展示会の出展社数(メーカー14社・販売店12社、プリント関係で約30社)は、2023年9月時点で当社が見た目安です。
よくある質問
- プリント機器のメーカーと販売店は、何が違うのですか?
- メーカーは機械やソフトを作っている会社、販売店はメーカーの商品を仕入れて売る会社です。プリント業界には、自社のオリジナル商品を開発しながら他のメーカーの商品も売る「メーカー兼販売店」も多くあります。
- 販売店から買うのは良くないのですか?
- いいえ、良し悪しの問題ではありません。ただ、メーカーによっては購入者に直接対応せず、販売店だけが窓口になる機械があります。その場合は、販売店(担当者)がその機器に詳しく、実績があるかがとても大事になります。
- 買う前に、何を確かめればいいですか?
- まず、買う会社がメーカーか、仕入れ販売店か、輸入販売店か。次に、トラブルのときの窓口はどこか、メーカーも対応してくれるのかです。販売店だけが窓口なら、その販売店の知識と実績も確かめてください。
- 同じ機械なら、いちばん安い販売店で買えばいいですか?
- 扱っている販売店を調べ直すのはよい方法ですが、価格だけで決めるとハマる場合があります。特にメーカーが購入者に対応しない機械では、トラブルのときに頼れる販売店かどうかを価格と一緒に比べてください。
- クイックアートは、メーカーと販売店のどちらですか?
- 両方です。扱う商品のほとんどが自社開発のオリジナル商品で、それを自社で販売しています。個人向け・業務用の販売と卸販売をしていますが、お客様への対応は基本的にメーカーとして行っています。
この記事のもとになった動画
【豆知識解説】プリント業界における購入者が注意したいメーカーと販売店の役割の違い 業者様向けTシャツプリント講座(2023年9月の展示会のあとに撮影)
買う前に、窓口と対応を確かめてください
当社の白トナープリンタ・小型DTFは、自社開発の商品として当社が直接ご案内しています。
導入後の対応やサポートの範囲も、東京・大阪・福井のショールームでご相談いただけます(完全無料・要予約)。
メーカーの売り文句ではなく、現場で刷って、売って、サポートしてきた事実だけをお伝えします。


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