DTF出力代行から
プリント内製化へ。
外注をやめた6つの理由
データを送ればDTFのフィルムを作って送ってくれる「DTF出力代行サービス」。機械を持たずにプリントの仕事ができる、とても便利な仕組みです。当社も最初にこのサービスを知ったとき、プリント機器が売れなくなるのではないかと本気で心配しました。
ところが実際には、白トナープリンタの販売台数は減らず、むしろ少し増える傾向にありました。外注サービスがあるのに、なぜ業者様は機械を買うのか。導入された業者様に聞いて分かった理由と、外注と内製化の比べ方、外注を続けたほうが良いケースまでをまとめました。いま出力代行を使っていて、自社でのプリントを考えている方の判断材料になれば幸いです。
- DTF出力代行はまとまったロットなら便利で安い。ただし数枚の新規・追加注文は送料も含めて割高になりやすい
- 内製化した業者様の理由は小ロットの割高さ・納期・データのやり取り・色合わせ・プレス作業・データの受け渡しの6つ。全体の8割くらいは「小ロット・小回り」
- 出力代行でも生地へのプレスは自分の仕事。いちばん時間がかかる工程はもともと手元にあるので、印刷とマーク作りを足すだけで内製化できる
- 機械代の回収は、Tシャツを2,500円で売る試算で約175〜190枚(動画撮影時の35万円の機械の場合)
- 大量注文は外注のほうが向くことも多い。小ロットは内製、大口は外注という使い分けが現実的
DTF出力代行サービスとは
DTF出力代行サービスは、デザインのデータを送ると、DTFでプリントしたフィルムをA4・A3のシート、またはロールで送ってくれるサービスです。届いたフィルムを自分の熱プレス機で生地にプレスすれば、プリントが完成します。
Tシャツへのプリントまで請け負う昔ながらの外注とは違い、出力代行が作るのは「プリントする前のマーク」までです。生地に合わせてプレスする作業は、自分で行います。数年前から複数の会社がサービスを展開していて、料金・納期・ロットの考え方は会社ごとに違います。

※出力代行サービスは会社ごとに内容が違うため、ここでの説明には例外もあります。導入業者様から聞いた声をもとにした一般的な内容です。また、当社はプリント機器のメーカーなので、内製化寄りの視点になることをご了承ください。
外注から内製化した6つの理由
東京ショールームにデモ体験に来られたお客様に「出力代行サービスもある中で、なぜ機械を入れたいのですか?」と聞いてきました。返ってきた答えを整理すると、次の6つになります。
① 小ロットの注文が割高になる
いちばん多い理由です。数枚だけの新規注文や追加注文を出力代行に頼むと、自分で作るより割高になります。これは出力代行に限らず、外注全般に言えることです。
よくあるのが、ブルゾンを20枚納品したあと、「新しい社員が入ったので3枚追加で」と頼まれるケースです。数枚のために外注すると1枚あたりが高くつき、送料も加わるので、さらに割高になります。送料の負担を気にせず頼むには、ある程度の枚数が必要です。

当社のお客様は小規模から中規模の事業者様が多く、細かい注文を受けることがほとんどです。最初は外注サービスでプリント販売を始め、小回りの良さを求めてあとから機械を導入された方もいます。「何かしら手元にプリント機器を置いておきたい」という声はよく聞きます。
② 納期を自分でコントロールしたい
「納期に時間がかかる」「外注先の都合で納期が変わる」という声もありました。調べてみると、即日〜翌営業日に発送する短納期の会社もあり、どこからを「長い」と感じるかはお客様次第です。それでも外注である以上、時期や先方の状況でずれるリスクはあります。機械が手元にあれば、生産にかかる時間は自分で計算できます。このリスクを取りたくない方が内製化を選んでいます。
③ データのやり取りが面倒に感じる
出力代行の各社のホームページを見ても、データ入稿のしくみは一般的以上に整っていて、決して面倒なものではありません。ただ、メールやチャットより電話で済ませたいタイプの方も、プリント業界には少なくありません。データのやり取りは今後もっと便利になるはずですが、現状ではこの理由で内製化する方もいます。
④ 色合わせを都度するのが面倒
出力代行の会社の多くは、色合わせのための無償サンプルを用意するなど、良いサービスをされています。それでも、注文のたびに色合わせをするのは手間です。DTFの色味はインクやRIPソフト、プリンターによって会社ごとに違います。手元に機械があれば、すぐに色味を確認できるので、内製化したいという方がいます。
⑤ どうせプレスは自分でやるから
出力代行からフィルムが届いたあとにやることは、生地に合わせて自分でプレスすることです。実際にやってみると分かりますが、この工程がいちばん時間がかかります。つまり、いちばん手間のかかる作業は、外注していても自分の仕事なのです。
白トナープリンタの場合、印刷そのものはほとんど時間がかかりません。印刷したシートに糊をのせてマークシートにする作業も、手作業で1枚約1分、1時間で50〜60枚ほどです。「自分で数十枚のマークを作るのは苦ではないので、それなら最初から自分でやる」という声をいただいています。

※自動糊付け機ペイスターを使うと、糊付けはA4 1枚約12秒になります(2026年10月時点)。
⑥ お客様の情報が分かるデータを外に出したくない
「○○中学校」「スポーツ少年団○○」のように、注文主が分かるデザインは少なくありません。そのデータを外注先に渡すと、そこから直接営業されてお客様を取られるのでは、という不安を持つ方がいます。
もちろん、出力代行サービスの会社がそんなことをしているわけではありません。これはDTFに限らず外注全般の話で、当社も最初はピンときませんでした。それでも、このような心理のお客様は意外と多いのが実情です。長いプリント業界の歴史の中で、いろいろなことがあったのかもしれません。
8割は「小ロット・小回り」のため
6つの理由を挙げましたが、全体の8割くらいは「小ロット・小回りの利く対応をしたい」というのが当社の感触です。10枚、20枚といった細かい注文には内製のほうが向いている、と判断されたお客様が機械を選んでいます。

外注(DTF出力代行)と内製化の比較表
ここまでの内容を、項目ごとに整理しました。どちらが優れているというより、注文の受け方によって向き不向きが分かれます。
| 項目 | 外注(DTF出力代行) | 内製化(自社でプリント) |
|---|---|---|
| 初期投資 | 不要(熱プレス機は必要) | プリンター+熱プレス機などの設備代 |
| 数枚の新規・追加注文 | 送料も含めて割高になりやすい | 1枚から同じ原価で作れる |
| まとまったロット | 得意。1枚あたりも安くなりやすい | 人手と時間に左右される |
| 納期 | 短納期の会社もあるが、先方の都合でずれることも | 生産時間を自分で計算できる |
| データのやり取り | 入稿が必要(各社とも仕組みは整っている) | 社内で完結 |
| 色合わせ | 無償サンプルなどで事前確認。注文ごとに手間 | すぐに試し刷りできる |
| 生地へのプレス | どちらも自分で行う(いちばん時間のかかる工程) | |
| 顧客データの扱い | 外部に渡す | 社外に出ない |
| 機械の維持 | 不要 | 機種による(白トナーはメンテナンス不要) |
※出力代行の料金・納期・ロットの考え方は会社ごとに異なります。実際の比較は、お使いのサービスの見積もりでご確認ください。
機械代は何枚で回収できるか
内製化を考えるときにいちばん気になるのが、「何枚売れば機械代を回収できるのか」です。動画撮影時(2026年3月)の試算を紹介します。Tシャツを1枚2,500円で販売する前提です。
| 条件 | 機械代 | 1枚の資材代 | 回収できる枚数 |
|---|---|---|---|
| 白トナー(A4いっぱいのデザイン) | 35万円 | 転写紙 A4 345円+Tシャツ代 | 約190枚 |
| 白トナー(A4の半分のデザイン) | 35万円 | 転写紙 A4の半分+Tシャツ代 | 約177枚 |
| 小型DTF A3機(A4サイズ) | 35万円 | フィルム A4 150円+Tシャツ代 | 約175枚 |

DTFはフィルムが安いのが強みで、1枚あたりの資材代は白トナーより低くなります。ただ、35万円の機械代を回収する枚数で比べると約190枚と約175枚で、大きな差はありません。何千枚、何万枚という量になれば差は効いてきますが、小規模な事業者様にとっては、それより小ロットに応えられる設備をそろえて売上を伸ばすことのほうが大切です。
※現在(2026年10月時点)の価格は、白トナープリンタWTRIP835が39万円(税別)、小型DTFプリンター(A3機)が35万円(税別)です。WTRIP835で同じ粗利1,800円として計算すると、約217枚(390,000円÷1,800円)になります。白トナーの資材代は、転写紙代と印刷代を合わせてA4で約374円です。
外注している方は「外注との差額」で考える
いま出力代行を使っている方は、ご自身の見積もりを使って次のように考えると分かりやすくなります。
回収できる枚数 = 機械代 ÷(外注で払っている1枚あたりの代金+送料の按分 − 内製の1枚あたりの資材代)
数枚の追加注文が多い方ほど、外注の1枚あたりの代金と送料の負担が大きくなるため、差額が広がり、回収は早くなります。逆に、毎回まとまったロットで頼めている方は差額が小さく、外注のままでも十分というケースもあります。製法ごとの詳しい計算は、DTF・ガーメント・白トナー、結局何枚売れば機械代を回収できる?をご覧ください。
内製化に必要なもの
出力代行を使っている方は、すでに熱プレス機とプレスの技術、データを作る環境をお持ちのはずです。内製化で新しく必要になるのは、主に「印刷」と「マーク作り」の部分です。
| 必要なもの | 内容 |
|---|---|
| 設備 | プリンター本体+熱プレス機。白トナープリンタWTRIP835は39万円(税別、RIPソフト・7年間の無償保証込み)。プレス機込みで55万円前後から。自動糊付け機ペイスターA3込みで約70万円(税別) |
| パソコン | データ作成・印刷用。WTRIP835はWindows 10以降が必要(Mac不可) |
| スペース | 白トナープリンタは作業台に置けるサイズ(本体約40kg)。換気設備は不要 |
| 人手・時間 | 印刷とマーク作り。白トナーなら手作業で1時間に50〜60枚、ペイスターならA4 1枚約12秒。プレス作業は外注のときと同じ |
| 技術 | プレスとデータ作りは外注のときと同じ。導入業者様の半分以上がプリント未経験からのスタートで、導入後のサポートは無期限 |
| 維持費 | 白トナーはトナー(粉)なのでクリーニング不要、長期間使わなくてもOK。インクを使うDTFは、クリーニングによるインク消耗などの維持費がかかる |
※価格は2026年10月時点の当社販売価格です。大型のロール式DTFは本体100万〜300万円が一般的で、オーブン・換気設備・設置スペースが必要になります。保守料(年30万円程度)やクリーニングによるインク消耗(月3〜4万円)などの固定費も見込んでおきましょう。
外注を続けたほうが良いケース
内製化がいつも正解というわけではありません。外注サービスが充実した今は、大きなロットなら外注に任せるという選び方も十分にありです。当社のプリント機器も、1,000枚、何千枚といった大量生産向けではありません。
外注と内製は、敵対するものではありません。小ロット・追加注文・急ぎの仕事は内製、大口は外注と、両方の良いところを取って使い分けるのがおすすめです。ただ、プリントで商品を作って売っていくなら、何かしら手元に機械があったほうが対応しやすいのは、昔から変わらない現実だと感じています。
外注か内製か、判断チェックリスト
いまの注文の受け方に当てはまるものを数えてみてください。左の項目が多いほど内製化のメリットが大きく、右の項目が多いほど外注のままでも十分です。
| 内製化が向いている | 外注のままでも良い |
|---|---|
| 10枚、20枚など小ロットの注文が中心 | 毎回まとまったロットで注文できる |
| 納品後の数枚の追加注文がよくある | 追加注文はほとんどない |
| 急ぎの注文が多く、納期を自分で決めたい | 納期に余裕のある仕事が多い |
| 注文のたびに色味を確認したい | 色味の確認はサンプルで十分 |
| 学校名・チーム名など顧客が分かるデータが多い | データを外に出すことに抵抗はない |
| 出力代行の送料や小口の料金が気になってきた | まだ売れるか分からず、投資は控えたい |
| プレス作業はすでに自分でしている | 一度に数百枚以上の大口注文が中心 |
左側が多い方は、まず手元の注文で外注にいくら払っているかを書き出し、前の章の式で回収枚数を出してみてください。当社では、白トナー・DTFの無料サンプルで仕上がりを比べていただけます。
よくある質問
- DTF出力代行サービスとはどんなサービスですか?
- データを送ると、DTFでプリントしたフィルムをA4・A3のシートやロールで送ってくれるサービスです。届いたフィルムを自分の熱プレス機で生地にプレスします。料金・納期・ロットの考え方は会社ごとに違います。
- 出力代行があるのに、なぜ内製化する業者が多いのですか?
- 小ロットの割高さ、納期、データのやり取り、色合わせ、どうせプレスは自分でやること、顧客データを外に出したくないこと、の6つが主な理由です。全体の8割くらいは「小ロット・小回りの利く対応をしたい」という理由です。
- 何枚売れば機械代を回収できますか?
- 2026年3月の試算では、35万円の機械でTシャツを2,500円で販売した場合、白トナーで約190枚(デザインがA4の半分なら約177枚)、小型DTFで約175枚です。現在のWTRIP835は39万円(税別)なので、同じ粗利なら約217枚になります。
- 外注のほうが良いのはどんなときですか?
- 一度に大量の注文が来たとき、まだ機械に投資したくないとき、毎回まとまったロットで注文できるときです。機械をお持ちの業者様でも、大口の注文は外注を使う方がいます。
- 内製化するには何が必要ですか?
- プリンター、熱プレス機、パソコン、作業スペースです。白トナープリンタWTRIP835は39万円(税別)、プレス機込みで55万円前後から始められます。換気設備やメンテナンスは不要です。
この記事のもとになった動画
【外注から内製化の実例】DTF出力代行サービスとプリント内製化の比較 業者様向けTシャツプリント講座(2026年3月撮影。価格は当時のもの)
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白トナー・DTFの無償サンプルをお送りしています。東京・大阪・福井でデモ体験、
オンラインでの個別説明(30分程度)も受け付けています。
※本記事の価格・実績は2026年10月時点の情報です。動画内の試算は撮影時(2026年3月)のものです。
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