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QUICK ART PRINT ACADEMY / FINISHING PRESS × BLACK SILICONE SHEET

ブラックシリコンシートで
仕上げると、プリントが
生地になじむ。製法別の効果

仕上げプレスのシートの選び方では、シリコン紙(リケイ紙NP)・フォースインペーパーS(FPS)・テフロンシートなど、仕上げプレスでプリントの上にのせるシートの違いを紹介しました。この記事はその続きです。2025年2月の動画で当社が新商品として紹介したブラックシリコンシートを取り上げます。

ブラックシリコンシートで仕上げプレスをすると、分厚く感じるプリントが柔らかくなり、生地になじみます。ただ、効果の大きさはプリントの方法によって違い、使わないほうがいい転写紙もありました。DTF・ラメシート・ラバーシート・抜ける転写紙(タイプC・B・W)・全面転写紙・パウダープリントフィルムで試した結果を、使い方と注意点とあわせてまとめます。

135℃デモの仕上げプレス温度(約10秒)。温度・時間は普段どおりでよい
5秒エンボス模様が気になるとき、シリコン紙をのせて再プレスする時間
3種大きな効果を感じたプリント(ラメシート・DTF・抜ける転写紙タイプC)
2,750円A4サイズ1枚(税込・2026年10月時点)
先に結論
  • ブラックシリコンシートは仕上げプレスでプリントの上にのせるシート。網目状のエンボス模様でプリントを生地目に食い込ませ、分厚く感じるプリントの生地なじみを良くする
  • 使い方は普段の仕上げプレスと同じ。デモは135℃・約10秒。表裏はなく、熱いうちに取ってもよい
  • プリントに網目の模様がつくことがある。気になるときはシリコン紙で5秒ほど再プレスすると戻る
  • 効果が大きかったのはラメシート(いちばん)・DTF・抜ける転写紙タイプC。生地との段差が大きいプリントほど効果が出やすい
  • 全面転写紙(WHS-CL・EA-CR)には向かない。テカリが出て、再プレスしても戻らなかった
  • パウダープリントフィルムでは、洗濯への強さが上がるという結果も出た
01 / WHAT

ブラックシリコンシートとは

ブラックシリコンシートは、名前のとおり黒いシリコンのシートです。表面に網目状の細かな凹凸があり、仕上げプレスのときにプリントの上にのせてプレスすると、その模様がエンボスのようにプリントに写り、プリントマークを生地目に食い込ませます。

その結果、触ったときに「分厚いな」と感じるプリントが柔らかくなり、生地とプリントの境目の段差を感じにくくなります。動画では、この「生地なじみ」が基本的に良くなるシートとして紹介しています。

  • 対象の生地:綿・ポリエステル・ナイロンと幅広い(昇華しにくい素材のため。商品ページより)
  • 表裏:なし。どちらの面でも使える
  • サイズ:動画撮影時はA4とA3。2026年10月時点では40×50cmもある

動画では、繰り返し長く使えるシートだと説明しています。ただし商品ページでは、汚れ・破れ・しわが出たら新しいものに替えるよう案内しています。そのまま使い続けると、プリント面に影響して不良の原因になるおそれがあるためです。

※シリコン紙・FPS・テフロンシートなど、ほかの仕上げシートとの使い分けは仕上げプレスのシートの選び方をご覧ください。

02 / HOW TO USE

使い方:いつもの仕上げプレスにのせるだけ

動画では、白トナープリンタと抜ける転写紙タイプWで綿のTシャツにプリントしたものを使って、仕上げプレスの手順を見せています。

  1. プリントしたTシャツをプレス機にセットする
  2. プリントの上にブラックシリコンシートをのせる(表裏はないので、そのままでよい)
  3. 汚れ防止のため、その上にシリコン紙を敷く
  4. 135℃・約10秒でプレスする
  5. シートを取る。テストした範囲では、プレス後の熱いうちに取っても問題ありませんでした
抜ける転写紙タイプWでプリントした白いTシャツをプレス機にセットし、ブラックシリコンシートをのせているところ
プリントの上にブラックシリコンシートをのせます。テロップは「白トナープリント:抜ける転写紙タイプW:綿生地/シートは表裏関係なく使えます/温度は135度10秒程で(温度時間は普段通りで)」。

温度は、ふだんの仕上げプレスと同じでかまいません。動画では「実際のプレスは135℃・30秒ぐらいでしているが、今回は10秒ほど」と話しており、テロップでも「温度・時間は普段どおりで」と案内しています。白トナープリントのプレス条件は白トナープリントのプレス温度と時間にまとめています。

03 / EMBOSS

網目のエンボス模様と、気になるときの戻し方

ブラックシリコンシートでプレスすると、プリントの表面に網目状のエンボス模様がつくことがあります。近くで見ると、細かいブツブツが並んだような仕上がりです。

ブラックシリコンシートで仕上げたプリントの拡大。ピンクの絵柄の表面に細かな網目状の凹凸がついている
ブラックシリコンシートで仕上げたプリントの拡大。表面に網目状のエンボス模様がつきます。

この模様が気になる場合は、シリコン紙をのせて、もう一度5秒ほどプレスすると戻ります。当社がいろいろテストする中で分かった方法です。

ブラックシリコンシートで仕上げたTシャツにシリコン紙をのせ、もう一度プレスする準備をしているところ
エンボス模様が気になるときは、シリコン紙で再プレス。テロップは「シートプレス後のエンボスが気になる場合は、再度シリコン紙でプレスすると状態戻ります」。

再プレスしても、なじみの良さはそのまま残ります。テロップでも「仕上げをした後の仕上がりを気にするか・しないかで工程が変わります」と案内しており、模様が気にならなければ1回、気になるならシリコン紙で再プレスして2回、と考えてください。

シリコン紙で再プレスしたあとのプリント。網目の模様が目立たなくなっている
シリコン紙で再プレスしたあと。網目の模様は目立たなくなりました。

※商品ページでは、生地なじみが良くなった結果、生地の色が透けて見える(白が薄くなったように感じる)場合もあると案内しています。

04 / RESULTS

プリントの方法ごとの効果

当社が扱っているプリントの方法ごとに、シリコン紙だけで仕上げたものと、ブラックシリコンシートで仕上げてからシリコン紙で再プレスしたものを並べ、手で触って比べました。動画でも断っているとおり評価は主観ですが、できるだけ客観的に伝えるようにしています。

プリントの方法効果動画で感じたこと
ラメ(グリッター)シートいちばん大きい生地とラメの段差がはっきり減った。もともと生地なじみがいちばん少ないからでは、とテロップで補足
DTF大きい見た目の違いは分かりにくいが、触ると違う。布地の感触があり、生地とイラストのギャップを感じにくい
抜ける転写紙タイプC大きいシリコン紙だけだと少しカサカサ・引っかかる感じがあったが、それが軽くなった
ラバーシート若干使ったほうが段差を感じにくい。カッティングシートは商品によって厚みが違う
抜ける転写紙タイプB若干なじみが良く感じるが、タイプCほどではない
抜ける転写紙タイプW違いを感じにくいシリコン紙での仕上げでもともと生地なじみが良いため、今回の綿Tでは差が分からなかった
全面転写紙(WHS-CL・EA-CR)おすすめしないテカリが出て、再プレスしても戻らない(05章)
パウダープリントフィルム手触りより洗濯手触りは少しカサカサするが、洗濯への強さが上がった(06章)

※2025年2月の動画撮影時の評価です。タイプBは動画では試していますが、2026年10月時点で当社の業務用の転写紙一覧には載っていません。

DTF:触ると違いが分かる

黄色のマスキングテープを貼ったほうがシリコン紙だけ、もう一方がブラックシリコンシートで仕上げたものです。見た目の違いは分かりにくいのですが、触ると違いが分かります。ブラックシリコンシートを使ったほうは、触ったときに布地の感覚があります。シリコン紙だけのほうは、生地とイラストの部分のギャップを感じます。

DTFでプリントした黒い小さなTシャツ2枚を手で触って比べているところ
DTFの比較。テロップは「触るとDTFは違いが分かる/*DTFもプリンタ機種によって厚みが違うので、よりごわつきを感じるDTFだと効果あると思います」。

DTFは、プリンターの機種によってプリントの厚みが違います。ごわつきを感じるDTFほど効果があるというのが当社の見方です。なじんでいるほうが全体的に柔らかく、お客様からの評価も得やすいはずです。動画の最後では、DTFは生地なじみの良さをアピールしにくいプリントだが、このシートを使えば変わる可能性がある、と話しています。

ラメシート・ラバーシート:段差が小さくなる

今回のテストでいちばん効果を感じたのがラメシートでした。シリコン紙だけで仕上げたものは、触ると音がするほど段差を感じますが、ブラックシリコンシートを使うと、生地とラメの段差がかなり減ります。

黄色のTシャツにSummer、黒いTシャツにluckyのラメシートを貼り、触り比べているところ
ラメシートの比較。テロップは「ラメシートが1番変化を感じた(1番生地馴染みが少ないからかと)」。

当社のラバーシートでは「若干」の差でしたが、ブラックシリコンシートを使ったほうが段差を感じにくい結果でした。カッティングシートは商品によって貼ったあとの厚みが違うので、段差が気になるシートほど試す価値があります。

ピンクのTシャツと黒いTシャツにラバーシートで青い文字を貼り、触って比べているところ
ラバーシートの比較。テロップは「若干な印象ですがブラックシリコンシートを使った方が段差を感じづらい」。

抜ける転写紙:タイプCで大きな効果

白トナープリンタで使う抜ける転写紙は、タイプC・B・Wの3種類で試しました。

タイプCはキャンバス生地などに向けた転写紙で、タイプWやBに比べると、生地の上に少し乗った感じが出ます。シリコン紙だけで仕上げたものは、手でなでるとカサカサと音がして少し引っかかりますが、ブラックシリコンシートを使うとこの引っかかりが軽くなりました。キャンバス生地のトートバッグなどで、タイプCの手触りが気になる方におすすめです。

抜ける転写紙タイプCでプリントした黒い小さなTシャツ2枚を並べて比べているところ
タイプCの比較。テロップは「Cはキャンバス生地に使うことが多いと思うが、その際に仕上がりの生地馴染みを良くしたい場合ブラックシリコンシートをご利用ください」。

タイプWは、多くのお客様が使っている転写紙です。シリコン紙での仕上げでも引っかかりが少なく、今回の生地では違いを感じ取れませんでした。動画では、もともと柔らかい仕上がりだからかもしれない、と話しています。トレーナーやスウェットなど別の生地や、ベタの多いイラストでは差が出る可能性があるので、生地なじみを気にされる方は一度テストしてみてください。

抜ける転写紙タイプWでプリントした黒い小さなTシャツ2枚
タイプWの比較。今回の生地では、シリコン紙だけでも生地なじみが良く、違いは感じにくい結果でした。

動画では、抜ける転写紙での効果を「タイプCは◎と○の間ぐらい、タイプBとWは△に近い」と表現しています。それでも、使えば基本的には良くなるので、商品としてお渡しするなら使ったほうがよい、というのが当社の考えです。タイプCの使い方は抜ける転写紙タイプCの使い方をご覧ください。

05 / NOT RECOMMENDED

使わないほうがいい転写紙

反対に、ブラックシリコンシートをあまりおすすめしないのが、写真などを全面にプリントする全面転写紙です。動画では、グレーのTシャツにプリントした全面転写紙(テロップの表記は「WHS-CL(EA-CR)」)で、イラストの上半分だけにブラックシリコンシートを重ねてプレスしました。

グレーのTシャツに全面転写紙でプリントした犬の写真。ブラックシリコンシートを重ねた上半分に光沢が出ている
全面転写紙の上半分だけにブラックシリコンシートを使ったもの。テロップは「このテカリが再プレスしても戻らない、かつ生地馴染みの変化を感じづらい」。
  • シートを重ねた部分にテカリ(光沢)が出た
  • このテカリは、シリコン紙で再プレスしても消えなかった
  • 生地なじみは多少良くなったが、全面転写紙らしいなじみ方からの変化は小さかった

テカリが気になる方は、全面転写紙ではブラックシリコンシートを使わないほうがよいでしょう。商品ページでは、WHS-CL・WHS-SOFT・EA-CRを「適していない」としています(生地なじみの変化が少なく、強い光沢が出て解消しにくいため)。また、動画では試していませんが、抜ける転写紙タイプWLもイラストがひび割れする可能性があるため、適していないとしています。

06 / WASH

パウダープリントフィルムでは洗濯に強くなった

最後に試したのは、インクジェットプリンターで印刷してパウダーをかけて作るパウダープリントフィルムです。ブラックシリコンシートで仕上げると、手触りは少しカサカサした感じになりますが、洗濯への強さが上がることが分かりました。

パウダープリントフィルムでプリントした白いTシャツ。誕生日のイラストと名前が入っている
パウダープリントフィルムの比較。テロップは「追いパウダーは少し手間があるが、ブラックシリコンシートでの仕上げは簡易的で洗濯の強度が強くなる」。

当社は以前、パウダーを追加でかける「追いパウダー」で洗濯に強くする方法を動画で紹介しました。ブラックシリコンシートを使うと、追いパウダーをしなくても洗濯への強さが上がることが分かってきたそうです。当社で洗濯を何回か繰り返したところ、通常の仕上げよりブラックシリコンシートを使ったもののほうが洗濯に強い結果でした。

※動画では、洗濯の回数や条件の詳しい数字は紹介していません。洗濯への強さの考え方は洗濯堅牢度の記事も参考にしてください。

07 / PRICE

サイズと価格

サイズ動画撮影時(2025年2月)2026年10月時点
A42,500円2,750円(税込)
A35,000円5,500円(税込)
40×50cm—7,700円(税込)

※動画の価格はテロップの表記どおりです(税別か税込かの表記はありません)。2026年10月時点の価格は当社サイトの掲載価格です。在庫状況は商品ページでご確認ください。

08 / FAIR

向かないケースと注意点

ブラックシリコンシートは、どのプリントにも同じように効くわけではありません。動画のまとめでも、当社の商品の中に使わないほうがいいケースもあったので、お客様ご自身でテストしてほしい、と話しています。

注意しておきたいこと:評価は当社スタッフが手で触って比べた主観によるもので、生地は小さなTシャツなど限られたものです。効果は、プリントの方法・機種・生地・デザインの大きさによって変わります。お客様の商品に使う前に、同じ組み合わせで必ずテストしてください。
  • 全面転写紙(WHS-CL・WHS-SOFT・EA-CR)はテカリが出て戻らないため向きません。抜ける転写紙タイプWLもひび割れの可能性があります(商品ページ)。
  • 網目のエンボス模様がつくことがあります。消したい場合はシリコン紙で再プレスする分、工程が1回増えます。
  • なじみが良くなった結果、生地の色が透けて白が薄く見えることがあります。白の発色を重視するデザインでは確かめてから使ってください。
  • タイプWのようにもともとなじみの良いプリントでは、違いを感じにくいことがあります。
  • 汚れ・破れ・しわが出たシートは使い続けず、新しいものに替えてください。

※当社は白トナープリンタ・小型DTFプリンターのメーカーで、ブラックシリコンシートも当社の取扱商品です。記事中の評価は2025年2月の動画撮影時のテスト結果です。

09 / FAQ

よくある質問

ブラックシリコンシートは何に使うシートですか?
仕上げプレスのときにプリントの上にのせて使うシートです。シートの網目状のエンボス模様がプリントを生地目に食い込ませ、分厚く感じるプリントの生地なじみが良くなります。表裏はなく、綿・ポリエステル・ナイロンと幅広い生地に使えます。
プレスの温度と時間はどれくらいですか?
動画のデモでは、白トナーと抜ける転写紙タイプWで綿のTシャツにプリントしたものを、135℃・約10秒で仕上げプレスしました。テロップでは「温度・時間は普段どおりで」と案内しています。シートはプレス後、熱いうちに取っても問題ありませんでした。
仕上げたあとに網目の模様が残るのが気になります。
ブラックシリコンシートで仕上げると、プリントの表面に網目状のエンボス模様がつくことがあります。気になる場合は、シリコン紙(リケイ紙NP)をのせて5秒ほど再プレスすると、模様が目立たなくなります。
どのプリントにいちばん効果がありましたか?
当社のテストでは、ラメシートがいちばん変化を感じました。次いでDTFと抜ける転写紙タイプCで大きな効果がありました。ラバーシートは「若干」、タイプWは綿のTシャツでは違いを感じにくい結果でした。
使わないほうがいいプリントはありますか?
全面転写紙(動画ではWHS-CL・EA-CR)は、シートを重ねた部分にテカリが出て、シリコン紙で再プレスしても戻りませんでした。生地なじみの変化も小さいため、おすすめしていません。商品ページでは、WHS-SOFTと抜ける転写紙タイプWL(イラストがひび割れする可能性)も「適していない」としています。
価格はいくらですか?
動画撮影時(2025年2月)はA4サイズ2,500円、A3サイズ5,000円と紹介していました。2026年10月時点の当社サイトでは、A4サイズ2,750円(税込)、A3サイズ5,500円(税込)、40×50cm 7,700円(税込)です。在庫状況は商品ページでご確認ください。
VIDEO

この記事のもとになった動画

【業者必見】プリント生地を柔らかくするブラックシリコンシートの効果とは?仕上げプレスの新常識!(2025年2月公開。価格・評価は撮影当時のもの)

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※本記事の価格は2026年10月時点の当社サイト掲載価格です。テストの結果と動画内の価格は、動画撮影時(2025年2月)のものです。

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